DOEFF vol7
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DOEFF DOEFF Vol. 07Vol. 071717政府が1億2000万人分を確保しているので、希望すれば誰もが接種できるでしょう。ただし医療従事者やハイリスクの方が優先。高齢者はワクチンを打っても抗体ができにくい一方、若い人が打てば、高齢者やリスクのある方に移さずに済みます。▶A3.世界中のそれぞれの地域で、ローカルなコロナウイルスがいます。地域でウイルスの型は似ている。新型コロナは中国の武漢発と言われていますから、日本人がこれまでひいてきた風邪で、知らず知らずのうちに免疫ができているのかもしれません。▶A5.大きな気候変動が強力なウイルスを発生させる可能性があります。パンデミック初期の対応をマニュアル化しておく必要はあるでしょう。オンライン会議の普及で、出張がなくなり効率は上がったけど、経済への影響は大きい。国の施策が重要です。▶A6.これまで免疫学はマウスを使って急速に発展しました。今後は人ベースでの研究が一気に進む予感がします。今回のことでもっと一般の人に身近な学問になる。抗体に関して言えば、悪さをするADE抗体が発生するリスクが気がかりです。▶A4.予防の観点から、感染力の有無を判定する方法の確立が非常に重要です。一律14日間経過を見る必要もなくなれば、医療提供体制にも少し余裕が出てくる。そういった実践的な研究も求められるでしょう。重症化を防ぐ治療薬の開発も待たれます。▶A4.来年にかけてワクチン接種も行き届き、だんだん収束に向かうでしょう。それまではある程度の周期で波が続いていくと思います。完全収束はないでしょう。今後2年間で、去年の第1波から数えて第9波ぐらいまであるかもしれません。▶A1.アジアはマスクの習慣が根付いています。欧米だとそうはいかない。マスクの効用は多くのエビデンスが出ています。また、欧米は人と人の距離が近い。握手、ハグ、頬のキスは日常茶飯事です。こういった文化的違いが要因とも考えられます。▶A5.太古の感染症は、どこかの奥地で蔓延してもそこの部族が全滅して収束したわけです。今のように世界中が繋がるとパンデミックの脅威は高まります。そのため、日本版CDC(疾病対策センター)のような組織の設置を検討することになるでしょう。▶A6.同居の家族以外とマスクを取って話をする機会をできるだけ避けること。これが肝だと思います。もちろん手洗いを励行し、三密を避けるのが大事です。あまり人がしゃべらない公共交通機関内で感染が拡大したという事例はこれまでにないので。▶A2.2021年には接種が始まるでしょう。うまくいけば日本のワクチンメーカーからも供給が可能になると期待します。来年には希望者は全員接種できるはずです。ただし、重い副作用があるのか、予防効果がどの程度かは未知数です。▶A3.磯 博康大阪大学 大学院医学系研究科公衆衛生学 教授熊ノ郷 淳大阪大学 大学院医学系研究科呼吸器・免疫内科学 教授““””Photo: CDC/Hannah A Bullock; Azaibi TaminPhoto: CDC/Hannah A Bullock; Azaibi Tamin※本記事は2020年12月のインタビューを基に構成しています。※本記事は2020年12月のインタビューを基に構成しています。コロナは、  風邪のように身近な存在になる。今後2年間で、第1波から数えて  第9波ぐらいまであるのでは。

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