Q1.Q2.Q3.Q4.Q5.Q6.新型コロナ後もまたパンデミックは起きるでしょうか。そのための備えは?▶A1.新型コロナのウイルス自体が消え去ることはなく、その流行に気候は関係ありません。感染者数の増減がしばらく続くのは受け入れるしかないと思います。ただ、重症者の増加を抑え、医療提供体制を維持できれば、社会の混乱は最低限で済むでしょう。▶A2.本学の附属病院では重症者を200人近く診療してきましたが、院内感染は起きていません。病院でも日常生活でも対策の基本は同じです。適切にマスクを使用し、混雑している場所は避けましょう。会食などでの飛沫も要注意です。▶A3.若年の感染者が増えています。ワクチンは発症だけではなく重症化も抑えるので、老若を問わず接種は必要です。すぐには元の日常に戻らなくとも、生活の制限がなくなっていく未来が見えれば、それがインセンティブとなって接種が進むと思います。▶A4.国産ワクチンの開発に注目しています。現在依存している海外製では、日本独自の変異株が発生した場合などに効果がどの程度あるのかわかりません。そのため国内でまかなえる体制の整備が必要です。細胞投与による治療法にも期待しています。▶A5.変異株の影響を受けた4月の中旬以降、これほどまで重症者が増えるとは驚きでした。そうなると、診療のリソースの多くをコロナ治療に割き、ほかの疾患は先送りにするしかありません。病院のキャパシティを増やすための社会的な議論が求められます。▶A6.この20年間でパンデミックは4回起きました。5年に一度はあると考えた方がいいでしょう。今後を見越して厚生労働省は感染症対策の強化を打ち出しています。一般治療室を集中治療室に転用する仕組みなど、病院のハード面の拡充が必要です。接種者数の目標が達成されれば、年明けには収束に向かうのでは。” “”“変異株に備えて、国内ワクチンが必要です。 藤野 裕士大阪大学 大学院医学系研究科麻酔・集中治療医学 教授新型コロナの収束時期はいつ頃だと予想しますか。第何波まであるでしょうか?コロナ禍の日常をどのように過ごしたらいいでしょうか。普段の生活で気を付けることは?ワクチン接種の有効性やリスクについて、どのように考えますか?新型コロナに関する研究が進んでいます。注目しているものはありますか?4月の第4波で大阪は医療崩壊したと報じられました。その背景について、どのように考えますか?1616新型コロナウイルスが、社会の在り方を根底から揺さぶっています。私たちの生活はどうなるのか。人類はこのウイルスとどのように向き合っていけばいいのか。医学研究の最前線に立つ先生方に「ウィズ・コロナの世界」を伺いました。
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