DOEFF vol8
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Keyword針のない注射さまざまな医療分野においてめざましい業績を積み重ねてきた大阪大学大学院医学系研究科。ここでは5つのキーワードから、最先端の研究にフォーカス。進化し続ける医療の最前線に迫ります。火薬を駆動力とすることで、薬液だけが皮膚を通過します。薬液中の遺伝子は、皮内で発現しやすいよう特別に設計されています。中神啓徳寄附講座教授(健康発達医学)と山下邦彦特任准教授(先進デバイス分子治療学)らの研究グループは、ガス式で針のない薬剤投与デバイスを開発。このデバイスを用いて核酸ワクチンを皮内(表皮と真皮の間)に投与し効果を調べた動物実験では、筋肉投与に比べて少量のDNAワクチンで効果を得ることができました。現在では医師主導のもと、新型コロナウイルスに対するDNAワクチンの治験を行っています。現行のワクチンは筋肉内あるいは皮下への注射が一般的。皮内へ正確に投与できれば、必要なワクチン接種量は5分の1から10分の1に抑えられる可能性があります。そうなればより多くの人へワクチンが行き渡るはずです。18一回のワクチン量はもっと減らせる。

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