DOEEF vol9
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02questioneeDOEFF DOEFF Vol. 09Vol. 091717”Photo: CDC/Hannah A Bullock; Azaibi TaminPhoto: CDC/Hannah A Bullock; Azaibi Tamin※本記事は2021年11月のインタビューを基に構成しています。※本記事は2021年11月のインタビューを基に構成しています。“脅威を招くのはウイルスの変異。関連研究の進展を望んでいます。病院長の立場からは、パンデミック時の医療体制の構築も関心事です。大阪で甚大な被害となった第4波を教訓に、海外の情勢も参考にしながら、次への備えを検討しています。▶A4.私も出張はめっきり減ってしまいましたが、人間の活動のあらゆる場面において「直接会う」ことはやはり大切です。今後はその価値が見直されるかもしれません。人流制限を緩和するにあたり、状況を踏まえたさじ加減が今後の課題でしょう。▶A5.阪大病院も多くの試練を乗り越え、体制を強化してきました。これまでと同程度の波であれば乗り越えられると思いますが、かつてない高さも想定しなければなりません。医療に携わる一人ひとりが感染症の知見を広げ、柔軟に対応することが重要です。▶A6.児童にワクチンを接種すべきかの判断は難しいですね。新たに開発されたmRNAワクチンがどんな影響を与えるか、まだわかりません。従来のタンパクやペプチドを用いたワクチンのほうが、歴史が長いぶん、安全性は確立されているはずです。▶A3.来院するすべての患者さんを念入りに検査していますが、第5波の収束後、陽性者は見られません。なぜここまで減ったのか、正直なところ不思議です。ワクチンを接種していない小中学生の間でも、クラスターはほとんど発生していませんから。▶A1.外出時のマスク着用など、これまで通りの対策は続ける必要があるでしょう。日本においては、慎重な国民性が好ましい方向に働くのではないでしょうか。政府や研究機関が示した基準に基づいて、自らの行動を律している方が多いように思えます。▶A2.織田 順大阪大学 大学院医学系研究科救急医学 教授“”病床稼働率に左右されない  病院経営の在り方を検討すべき。「直接会う」ことはやはり大切。  人流制限のさじ加減が課題です。土岐 祐一郎大阪大学 大学院医学系研究科消化器外科学 教授、医学部附属病院 病院長人流の抑制や渡航の制限は、感染状況に応じて引き続き検討すべきでしょう。接触や飛沫によって感染が広がるのですから、当然そこでは人流の影響が否定できません。渡航についても同じ。国内外から大勢が集まる空港では感染するリスクも高いのです。▶A5.非常時に十分な戦力を投入するためには、平時の「余力」が必要です。病床稼働率を無理に高めなくても日頃の安定した病院経営が可能となる仕組みづくりが課題。そのための財政支出を危機管理への投資と位置付ける社会的なコンセンサスが求められます。▶A6.治療薬の開発に注目しています。今はすべての急患対応でコロナ感染を疑い、医療者はN95マスクやアイシールド、ガウンを身に着け、入院する方に必ずPCR検査を受けていただく状況です。医療現場の逼迫を緩和するためにも、治療薬を待ち望んでいます。▶A4.この未曾有の事態と向き合うにあたり、結論を急ぐべきではありません。感染者数が長期間抑えられ、治療薬が流通すれば、収束を期待できるでしょう。私たちもそれを願い、地域住民の健康を守るため、現在もなお救急の現場で踏ん張っています。▶A1.今後もマスクの着用や手洗い、うがい、アルコール消毒、ソーシャルディスタンスの確保が必要です。無症状で感染が広がった経緯を踏まえると、陽性者数だけを根拠に「収束」と言い切れないのがこのウイルスの怖さ。引き続き感染対策が求められます。▶A2.望めばいつでもワクチンを打てるのが理想です。当然、効力は永続しませんから、定期接種が定着する可能性もあります。国産と外国産で効果の違いはわかりませんが、国内で在庫を確保するためにも国産ワクチンの開発に期待しています。▶A3.

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