DOEFF vol11
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paCatn1日3回食事を摂る。これを徹底しています。解剖に臨む際は、ICUに入るようなフル装備を身にまとい、意識も集中しなければならず、気軽に中断できません。いったん解剖を始めたら数時間はその場を離れられないことから、昼食が夕方5時頃になることもしばしばです。時間がずれてしまいますから、夕食は深夜になります。あまり褒められた食生活ではないかもしれませんが、私にとっては翌日に低栄養状態を持ち越さないのが最優先。肉よりも魚にするなど、栄養バランスには気を配っています。趣味は野球。ポジションは専らピッチャーです。コロナ禍以降は活動が下火になっているので、筋力の低下を防ぐために実践しているのが「ながらトレーニング」。具体例として、歩き方の工夫が挙げられます。人に見られると少々恥ずかしいのですが、で臨床や研究の最前線に立ち、多忙な日々を送るドクターは、どのように自らの健康をキープしているのでしょうか。最新の知見を取り入れたり、ひたすら趣味を究めたり……そのスタイルはさまざまです。「医者の不養生」を覆す「元気の素」をご紹介します。仕事が立て込むと、夜にまとまった睡眠が確保できないことも。出張の移動中など、隙間時間で仮眠を取っています。解剖の現場で日々大勢の方の死因に向き合っています。高齢の方が亡くなる原因として多いのが、お風呂で溺れるケースです。入浴中に心地よくて眠ってしまう方もいますが、お湯の中は危険だということをお忘れなく。おすすめしたいのが銭湯です。他人の目があると適度な緊張感を保てますし、万が一のときにも周囲に気付いてもらえます。きるだけ大股で腰を落として歩くんです。ほかにも、デスクを支えにシャドーピッチングをしたり、シャワーを浴びながらスクワットしたり。日常動作で鍛えられますから継続しやすく、かつ効率的です。災害対応を含め、仕事でストレスフルな状況に置かれることは少なくありません。プレッシャーに潰されない強さは野球で培われたものです。マウンドに立つと、あえてノーアウト満塁に持ち込んだうえで続投を希望します。このピンチをどう切り抜けるか。最高に燃えますね。打たれたときは相手がすごいと思えばいい。押さえたときは自らを褒めるわけです。オフの時間を持つのも大切。楽になれるシチュエーションは人それぞれです。家族や友人と過ごすのは楽しいけれど、一人の時間が必要な人だっています。自分に合ったスタイルを見つけてください。 松本 博志大阪大学大学院医学系研究科法医学 教授17

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