画像診断にAIを応用する。それが私の研究のコンセプトです。具体的には、コンピューターが医用画像を詳細に解析し、例えば肺に存在する病変を特定します。その情報を基に医師が診断を行う「コンピューター支援診断」について、かれこれ30年ぐらい研究を続けています。2000年代初めから現在まで続いている第三次AIブームの中心的な技術が、機械学習です。それ以前は人間が分類の基準を数式化してコンピューターに教え込む必要がありました。現在は、適切なデータをAIに提供するだけクリニックに足を運ぶ前、AIに相談するのが標準に。インターネットで調べる必要はなくなる。で、AIが自ら病変の特徴を学習し、良性・悪性といった分類までを担い、回答してくれるようになっています。第三次のブームは確かに目覚ましかったけれど、そろそろ終息といったムードもありました。ところが、ChatGPTの登場を象徴とする新たな波が到来し、今は第四次のブームに突入したといえます。何が革新的かというと、プログラミングが不要となり、自然言語、つまり人間の言葉で指示すれば、コンピューターがそれに対応するという点にあります。これにより、専門知識がな06AIネットドクターが医療の入り口に。第1回:医療とAI
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