ご挨拶

金田 安史

金田 安史
事業推進責任者
大阪大学大学院医学系研究科 研究科長

「国際・未来医療を担う人材輩出に向けて」

大阪大学では、医学部附属病院にて橋渡し研究拠点として「未来医療開発部」を設置し、難病治療薬や医療機器の開発、再生医療の実践を進めて来ています。平成25年には、日本発の医薬品・医療機器、医療システムの海外展開や海外からの患者への医療提供のため「国際医療センター」を未来医療開発部内に設置致しました。大阪大学の医療技術の海外展開は、今年に入って急速なニーズの高まりを見せていまして、実際に、今年4月にはカタールのハマド医療法人と学術協定を結び、共同で医療技術を開発しつつ、将来はカタール国民への医療提供が期待されています。同様な依頼は海外から多数寄せられていまして、私どものメディカルイノベーションへの取組みに対する海外からの注目が高まっていることを実感しております。一方、国際医療を進めるためには、様々な専門領域の人材が医学の知識を持ち、医療の実情を理解することが求められています。たとえば、医療通訳は国際医療の幅広い展開には欠かせない業務ですが、単に言葉の通訳ではなく、患者の病状、心理的状態を理解したやり取りが必要で、頭と心の通い合いがなければ質の高い医療提供にはなりません。医療における法律分野や経済分野についても同じことがあてはまると思います。そのような人材が我国ではまだ育っていない、育てるような環境も未整備であると言わざるをえません。
今回、文科省平成25年新規事業「未来医療研究人材養成拠点形成事業」に採択されたことを機に、国際・未来医療学講座を設立し、学部教育と大学院教育を行うことにいたしました。画期的なことは、医学部生のみならず、これを全学部の学生が受講できるようにしたことです。他の理系学部のみならず文系の学部生が受講されることを大いに期待しています。大阪大学は研究型総合大学として、多様な人材が集まっておりますが、特に大阪外国語大学を併合したことにより、地球上のほぼすべての言語を教えることのできる環境が整っているのも強みです。 この教育プログラムの内容は、国際医療、未来医療に必要と思われるテーマで、その中に医学の基礎と臨床も盛り込んだユニークな内容になっていて、初心者でも興味を持って総合的に医学を学んでいただけると考えております。受講生の感想や評価を参考にして、さらにブラッシュアップを図って参ります。この講座は、医学部・医学系研究科の医学専攻組織では従来の基幹講座とは異なりますので、大阪大学としては初の名称である特定講座と命名し、開設することになりました。この教育プログラムを通して医学に興味を持ち、国際医療や未来医療を担う人材が輩出され、日本の医療を世界に最適な形で提供できることを夢見ております。関係各位のますますのご支援、ご助言をお願いいたします。

事業概要

*橋渡し研究(Translational Research, TR)や国際医療の教育・研究のための総合的な人材育成基盤として、
医学系研究科内に「国際・未来医療学講座」を設置。
*「健康・医療イノベーションコース」を設定して、次世代のTR・国際医療に携わる未来医療研究人材を育成。

大阪大学大学院医学系研究科(医学専攻、保健学専攻)、人間科学研究科、外国語学部、言語文化研究科、
国際公共政策研究科の全学的な協力、外部機関との連携によるダイナミックな教育体系を構築し、
国際医療のトータルな教育・研究・実践をとおして、グローバルな人材の養成を目指します。
このため、「健康・医療イノベーションコース」に関わる学際的プログラムを、全学共通プログラムとして高次元で文理融合し、
国際水準の臨床試験の実行や国際医療貢献に資する、日本の医療イノベーションを強力に推進する
グローバルメディカルイノベーター創出のための教育プログラムを、

医学部以外の学部に対しても受講可能な横断型全学共通プログラムとして提供します。

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