大阪大学の取り組み

大阪大学の特長

大阪大学では、医学部附属病院において、未来医療の開発や海外からの患者、医療従事者の研修受け入れを活発に行っており、on-site教育を実践している。

大阪大学は、医・歯・薬・理・工・基礎工の理系と、人間科学・外国語・経済・法・文の文系学部を持つ文理融合総合大学として、日本屈指の国際医療人育成のためのポテンシャルを有する。

大阪大学は、学際複合的な学問領域の創成を目指すとともに、文理を融合したトータルな視野をもつ国際的リーダーを育成し、革新的かつ世界の医療ニーズに応える人材育成の教育・研究システムを推進する。

経緯・背景

大阪大学は、2002年に医学部附属病院内に未来医療センターを設置、全国に先駆けて橋渡し研究(Translational Research, TR)への取り組みを開始しました。その間に、文部科学省橋渡し研究拠点および厚生労働省 早期・探索的臨床試験拠点にも採択され、アカデミア発革新的医薬品・医療機器、再生医療の開発に取り組みながら、開発支援の実績を重ね、同時にその推進に不可欠な人材育成を行ってきました。

一方で、近年、新規医療技術の国際的展開の必要性が増し、また開発された新規医療技術に対する海外からの受診要望が多く寄せられるようになってきました。

このような状況の中、大阪大学では、医療技術の開発と国際展開の総合的な支援を目指して、2012年に病院内に「未来医療開発部」を設置し、2013年には日本発の医薬品・医療機器、医療システムの海外展開、世界の健康増進、日本の医療国際貢献を促進するため、部内に「国際医療センター」を新設し、さらなる国際化を目指したメディカルイノベーションに取組んできました。

しかし、これまで多数の専門家を育てながら、Translational Researchや国際医療の大学教育プログラムが未整備であったため、医学部以外を含めた次世代の専門家を輩出するに至っていません。その解決のため、「国際・未来医療学講座」を設立し、医・歯・薬・理・工・基礎工の理系と、人間科学・外国語・経済・法・文などの文系との文理融合の全学共通教育プログラムによるメディカルイノベーター人材養成を開始しました。

達成目標

2013

大阪大学内の学部別・研究科別の関連教育プログラムと、すでにある全学共通プログラムの医療健康関連教育プログラムを調査・調整を行い、メディカルイノベーションコースとしてのカリキュラム・シラバスを作成する。

2014

健康・医療イノベーションコースI(学部教育プログラム)を大学全学共通教育のプログラムとして開講し、医学部医学科と保健学科・薬学部・歯学部・人間科学部・外国語学部・工学部・理学部・基礎工学部・法学部・経済学部・文学部での共通プログラムを開始する。また、コースIの評価も並行して行う。

2015

健康・医療イノベーションコースII(大学院プログラム)を開講し、横断的博士課程プログラムを開始する。健康・医療イノベーションコースIを継続実施する。並行して、コースI・IIの評価を行う。

2016

コースIのH26・27年の2年間の実施による教育プログラムとしての問題点の有無の評価、効果的な教育プログラム・カリキュラムについて評価指標に基づく検討を行い、H29年度カリキュラムの追加・修正を検討する。コースIIを継続実施する。

2017

必要な改善を行ったコースIの実施と2年間実施したコースIIの評価・必要な改善を検討し、翌年以降のコースカリキュラムを作成する。

<評価指標>

 評価は、受講者評価・講師評価・外部評価の3本立てで、「実施評価(計画の実現度)」と「効果評価(本プログラムによる教育効果)」の2点につき点数化による定量評価と討論評価を行い、このプログラムの効果・改善と改善による効果(5年以内)を明らかにし公表する。

平成25~26年:「実施評価」健康・医療イノベーションコースIの実施状況・受入学生数・出席率・学生評価・担当指導教員評価を指標として、100点満点での絶対評価を行う。平成27~29年:前出の「実施評価」とともに「効果評価」を行う。すなわち「効果評価」として、H26年・27年実施のコースI受講者および非受講者に対し、学部専門性における健康・医療イノベーションのキャリアー希望調査を行い、本プログラムでのキャリア形成における意義を定量評価する。また、受講者調査・講師自己評価および外部評価により、教育プログラム内容の修正について評価する。

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