最終更新日
2024.04.09

健康政策を効果最大化と格差縮小の両軸で評価するためのツール開発に関する研究

研究テーマ
1.研究の対象

2007年1月~2024年3月に①大阪大学、②大阪医科薬科大学、③大阪国際がんセンター、④市立東大阪医療センター病院、⑤東京医科歯科大学病院、⑥栃木県立がんセンター、⑦弘前大学医学部附属病院、⑧金沢医科大学病院、⑨八戸市立市民病院で肺がんと診断を受けられた方

2.研究目的・方法

本研究の目的

本研究は、肺がんの死亡率減少および社会経済状況における集団間の死亡率格差を縮小することを目的とし、肺がんの予防・診断・治療の各過程において、たばこ対策や検診の導入、新規治療薬の普及などの効果を国民全体でみた場合に、「死亡率を減少させる効果が最大」となり「社会経済状況の異なる集団間の死亡率の格差が縮小」するという二つの軸で評価するマイクロシミュレーション(Microsimulation: MS)モデルを開発します。

肺がんに関しては、近年、受動喫煙に関する法律の変更や新しい早期発見技術である胸部CT検診の有効性評価、免疫チェックポイント阻害剤などの新規治療薬の開発など、国民をとりまく状況が大きく変化しつつあります。限られた国の予算の中で、肺がん死亡を減少させ、格差を縮小させるためには、様々な介入を複合的に表現可能なマイクロシミュレーションモデルを用いて、各シナリオを設定し、その効果を定量化し比較します。それにより、どのようなことを政策により導入するかについてするための資料が提供可能となります。

 

研究の方法

MSモデルは肺がんの発症~診断~治療~転帰(生存・死亡)までの一連の流れをコンピュータシミュレーションにより表現するものです。

全体の目的を達成するために以下の役割分担でプロジェクトを行います。

A:マイクロシミュレーションの構築:数理シミュレーションのプログラミングおよび妥当性評価

B:肺がんの要因:本人喫煙や受動喫煙と肺がん発症リスクの検討

C:肺がんの診断:検診時の胸部X線検査や低線量CT検査の効果や、居住地域および検診アクセスと検診受診率や進行度分布の検討

D:肺がん診断後の治療方法と、治癒・再発の関係について検討

E:社会経済状況に応じた集団間の肺がんリスク要因、発生率・生存率・死亡率の差の検討

 

これらのうち、Dのプロジェクトにおいて院内がん登録資料にDPC・レセプト・診療データベースをリンケージした資料を用いて、詳細治療内容別の生存率を算出し、比較します。社会経済状況については、患者の診断時住所を使用し、地域の困窮度を示す指標を用います。本資料は2016年診断以降の症例に関しては各医療機関内において、収集・分析し、結果を集約する。研究への参加同意を取得せず、オプトアウトの形式をとります。本研究への参加を辞退される方は、各医療機関のお問合せ先までご連絡ください。

 

研究期間

研究機関の長の許可日 ~ 西暦 2027年 3月 31日

3.研究に用いる試料・情報の種類

情報:病歴、診断日、治療歴、副作用等の発生状況、カルテ番号、生年月日、居住地 等

当該研究で取得する個人識別符号/要配慮個人情報とは別の研究番号(研究用ID)を各症例に割り付け、個人情報(患者ID)と研究番号の対応表を電子ファイルに(エクセルシートに)作成し匿名化したものを提供します。なお、対応表の保管は、パスワードを設定して保管し、個人情報管理者は漏洩しないよう厳重に保管・管理します。

4.外部への試料・情報の提供

共同研究機関への情報提供に関しては、カルテ番号等を含まない匿名化された情報を提供します。

5.研究組織

大阪大学大学院医学系研究科 北村哲久

札幌医科大学 加茂憲一
広島大学大学院先進理工系科学研究科 福井敬祐

大阪医科薬科大学研究支援センター医療統計室 伊藤ゆり

大阪医科薬科大学 藤阪保仁

国立がん研究センターがん対策研究所 片野田耕太

国立がん研究センターがん対策研究所 中山富雄

大阪国際がんセンター 岡見次郎
市立東大阪医療センター 東山聖彦
東北大学大学院環境科学研究科 中谷友樹
京都大学大学院医学系研究科 近藤尚己

東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科国際健康推進医学分野 藤原武男

東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科国際健康推進医学分野 花房真理子

栃木県立がんセンター 藤田伸

弘前大学医学部附属病院 松坂方士

金沢医科大学医学部公衆衛生学 西野善一

 

・既存情報の提供のみを行う機関

八戸市立市民病院呼吸器外科 三井匡史

6.お問い合わせ先

本研究に関するご質問等がありましたら下記の担当者までお問い合わせ下さい。

ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申出下さい。

 

照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先:

②〒569-8686 大阪府高槻市大学町2-7

072-683-1221(内線3954)

大阪医科薬科大学  研究支援センター医療統計室  室長 伊藤 ゆり

URL:

 

③〒541-8567 大阪府大阪市中央区大手前3丁目1−69

06-6945-1181

大阪国際がんセンター呼吸器外科主任部長 岡見次郎

 

④〒578-8588 大阪府東大阪市西岩田3丁目4−5

06-6781-5101

市立東大阪医療センター 東山聖彦

 

⑤〒113-8510 東京都文京区湯島1-5-45 M&Dタワー16F南

03-5803-5190

東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科国際健康推進医学分野 藤原武男

 

⑥〒320-0834 栃木県宇都宮市陽南4-9-13

028-658-5151

栃木県立がんセンター副理事長兼副センター長 藤田伸

 

⑦〒036-8563 青森県弘前市本町53

0172-33-5111

弘前大学医学部附属病院医療情報部准教授 松坂方士

 

⑧〒920-0293 石川県河北郡灘町大学1丁目1番地

076-218-8093

金沢医科大学医学部公衆衛生学講座教授 西野善一

 

上記①~⑧以外の研究施設では、すでに匿名化された既存情報のみを扱うため、オプトアウト対応は行わない。

 

研究責任者:

①〒565-0871 大阪府吹田市山田丘2-2

06-6879-3922

大阪大学医学部 環境医学 准教授 北村哲久

研究代表者:

①〒565-0871 大阪府吹田市山田丘2-2

06-6879-3922

大阪大学医学部 環境医学 准教授 北村哲久