最終更新日
2016.08.23

災害共済給付データと救急蘇生統計のリンクによる学校管理下における心停止に関する網羅的疫学研究

2016.8.23 倫理審査委員会承認

IRB承認
対象

2008年以降に登録された災害救済給付データの心停止事例と2008年以降に登録されたウツタイン統計のうち、18歳以下の登録例のすべてを対象とする。

研究機関

大阪大学大学院医学系研究科

目的

学校管理下で起こる心停止生徒の実態および予後に関連する要因を明らかにし、今後の心肺蘇生の普及啓発やAEDの適正配置などの改善につなげることができ、また学校管理下での心停止という重大事故防止の対策に寄与することを目的とする。

方法

大阪大学医学部附属病院における倫理審査承認後、日本スポーツ振興センター学校安全部から学校管理下で起こった心停止(死亡・蘇生)例のデータ(災害救済給付データ)を個人名・住所などの個人情報を削除し匿名化データの提供を受け、消防庁から提供された匿名化された救急蘇生統計『ウツタイン統計』と結合させる。これら2つのデータを都道府県、性別、年齢、発生(覚知)発生時刻をキーにして、マッチングを行ったのち、データのクリーニングならびに解析を行う。これらはすべて大阪大学医学系研究科社会医学講座環境医学内に設置したPCを使用し、既にインストール済みの疫学・統計ソフトSTATA((株)ラインストーン)およびSPSS((株)IBM)等を用いて行う。

意義

本研究では、発生状況から予後までの詳細な検討ができるように、災害共済給付データとウツタイン統計をキー項目でマッチングさせ、学校管理下で発生した院外心停止症例のデータベースを構築する。これにより、学校管理下での心停止発生状況とその予後について包括的に検討することが可能となる。本データベースを用いて多面的な疫学的分析を行い、小児の院外心停止に対する今後の心肺蘇生の普及啓発やAEDの適正配置、および学校管理下での心停止という重大事故防止の対策に寄与するエビデンスを構築する。

個人情報の扱い

ウツタイン統計は、総務省消防庁が対象者特定情報を削除し、番号を付与して匿名化したデータを研究者に提供する。ただし、事故の発生日、目撃時間、場所などが報道されている場合もあるため、保管方法、取り扱うPCの範囲などに留意する。

災害給付金データは、スポーツ振興センター学校安全部が氏名・住所・生年月日等の個人特定につながる情報は削除し、新たな番号を付与した匿名化したデータを研究者に提供する。ただし、災害の発生日、場所などが報道されている場合もあるため、保管方法、取り扱うPCの範囲などに留意する。

問い合わせ先

大阪大学大学院医学系研究科 環境医学 教授 祖父江 友孝

連絡先電話番号 06-6879-3920

審査結果通知書

審査結果通知書(16162-2)

大阪大学医学部附属病院の倫理審査委員会(IRB)承認課題