最終更新日
2013.12.12

東京電力福島第一原発作業員の甲状腺の調査等に関する研究

2013.12.12 倫理審査委員会承認

IRB承認
対 象

対照群(甲状腺等価線量100mSv以下。可能な限り被ばく線量の低い者)約2,000人、ばく露群(甲状腺等価線量100mSv(実効線量で5mSv相当)を 超える被ばくをした緊急作業従事者1,972人。対象者は対照群、ばく露群とも、全員20歳以上。

研究機関

大阪大学大学院医学系研究科環境医学、放射線医学総合研究所福島復興支援本部健康影響調査プロジェクト、自治医科大学、虎の門病院、 日本原子力研究開発機構

目 的

ばく露群と対照群との間で甲状腺結節(腫瘤)の発見割合を比較する。

方 法

ばく露群については、既に東京電力及び協力企業において実施された甲状腺甲状腺超音波検査の 結果の提供を受ける。
対照群については、東電・原子力安全統括部原子力安全センターを通じて、東電社員(東電本社、柏崎刈羽原発、福島第一・第二に勤務する者) を中心に参加を募り、 ばく露群と同様の方法で甲状腺超音波検査を実施する。この際、柏崎刈羽原発に入構している協力企業にも東京電力を通じて 対照群の研究協力を依頼する。
また、ばく露群については甲状腺被ばく線量を再評価する。
事業者からの個人情報の提供については、予め研究協力の要請を行っており、本研究に同意の得られた者については事業者の協力が得られることとなっている。
これらのデータを個人情報を有する状態で、調査事務局(自治医大)に集約し、連結可能匿名化した後、データセンター(阪大)にデータを移送し、 研究班関係者において解析・評価を行う。
なお、対照群については、検査の結果を個別に送付する予定であり、このため、個人の氏名や住所を調査事務局にて取り扱うことが必須となる。

意 義

本研究では、甲状腺等価線量が100mSvを超えた被ばくをした緊急作業従事者(ばく露群)と比較可能な対照群(甲状腺等価線量100mSv以下。 可能な限り被ばく線量の低い者)を設定の上、同様の検査を実施し、それらの検査結果を比較することによって放射線被ばくによる甲状腺の 影響を疫学的に解析し、その結果を放射線影響や甲状腺臨床医学などの観点から評価する。本研究結果を適切に公表することにより、 国民に対する無用な放射線への不安の惹起を防止することが期待される。

個人情報の扱い

「連結可能匿名化」を行い、個人情報を保護する。
(対応表の管理方法)
◆ネットワークから切り離されたコンピュータを使用して、外部記憶媒体(USBなど)に記録され、それは鍵をかけて厳重に保管する。

問い合わせ先

大阪大学大学院医学系研究科 環境医学 教授 祖父江 友孝
連絡先電話番号 06-6879-3920

大阪大学医学部附属病院の倫理審査委員会(IRB)承認課題