2014.2.13 倫理審査委員会承認
IRB承認対 象 | 2002(H14)年における尼崎市居住者のうち、1975年以前に尼崎市民となり継続して市内に居住していた人を住民基本台帳に基づいて固定して、コホート対象者名簿を作成する。 |
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研究機関 | 大阪大学大学院医学系研究科環境医学、兵庫医科大学医学部環境保健学、奈良県立医科大学医学部産業疫学、産業医科大学産業保健学部労働環境学 立命館大学文学部地域研究学 |
目 的 | 尼崎市における中皮腫および肺がん死亡の地理的集積をコホート研究の手法を用いて検討する。 |
方 法 | 尼崎市における中皮腫および肺がん死亡の地理的集積をコホート研究の手法を用いて検討する。1975(S50)年以前から尼崎市内に居住歴があり、2002(H14)年まで 継続して居住している者をコホート対象者として、2002(H14)年から2012(H24)年までの11年間における中皮腫および肺がん死亡について、人口動態全国中皮腫 および肺がん死亡率を外部標準とした標準化死亡比(SMR)計算を行う。その際、1957(S32)年から1975(S50)年までの尼崎市内の居住歴別にSMR計算を行う。 また、Geographic Information System(GIS)の手法を用いて小地域単位別にSMR計算を行い、居住歴とあわせた詳細な地理的集積性の解析も合わせて試みる。 |
意 義 | 尼崎市(2010年国勢調査人口45万人、全国の0.35%)においては、2002-2010年の9年間で年平均22例(男15例、女7例)の中皮腫死亡が観察されており、 これは同期間の全国年平均1023例(男809例、女214例)の2.2%(男1.9%、女3.2%)に相当する。職業性曝露による中皮腫を含む数値ではあるが、 地域レベルとしては、世界的にみても稀にみる高頻度の中皮腫発生が観察されており、この地域における石綿曝露状況には特殊な事情があったことが 強く示唆される。このような不幸な事象について、後世に対してリスク評価につながる記録を可能な限り正確に残すことが重要である。 こうした調査は、旧石綿工場周辺における中皮腫過剰発生が終息するまで継続することが重要であり、今回の調査により、その基盤を構築することができる。 |
個人情報の扱い | 1) 個人情報を含むデータは尼崎市・保健所内で処理・保管する。 |
問い合わせ先 | 大阪大学大学院医学系研究科 環境医学 教授 祖父江 友孝 |
大阪大学医学部附属病院の倫理審査委員会(IRB)承認課題