最終更新日
2014.09.11

統合失調症患者の糖尿病合併に関連する社会的要因についての多面的検討

2014.9.11 倫理審査委員会承認

IRB承認
対 象

当該施設(社会福祉法人天心会小阪病院)において、2013年1月~12月末までの1年間で入院加療を受けた統合失調症患者の全症例を対象とする。

研究機関

大阪大学大学院医学系研究科環境医学
社会福祉法人天心会小阪病院

目 的

地域の中核的精神保健医療を担う単科精神病院の協力を得て、一定の入院期間を有する統合失調症患者を対象として、 糖尿病合併に関連するさまざまな要因を疫学的手法を用いて探索するとともに、患者のライフコースに着目した 社会的要因との関連について多面的に検討する。

方 法

・ 大阪大学医学部附属病院における倫理審査承認後、小阪病院に保管されている既存のデータ (2013年4月〜2014年3月末までの1年間の医科入院・調剤レセプト情報、電子カルテ情報)より、 以下に示す調査項目に関するデータを抽出、クリーニングし、さらに連結不可能匿名化する。これら の作業はすべて小阪病院内のインターネットに接続されていないパソコン上で行う。
・ 連結不可能匿名化されたデータはUSBフラッシュメモリかまたはCD媒体に保管された上で提供を受ける。
・ 連結不可能匿名化後に提供されたデータは、大阪大学医学系研究科社会環境医学講座内のインターネット に接続されていない計算機上で、疫学・統計ソフトSTATA((株)ラインストーン)おならびにSPSS((株)IBM) (いずれもインストール済み)を用いて解析する。

意 義

一般的に、統合失調症患者における糖尿病の有病率が高いことは知られている。一方、糖尿病は加齢とともに患者の割合が高くなる傾向がある。 このため統合失調症患者における高齢化が進むにつれて、糖尿病の合併患者数も増大すると考えられる。本研究では、統合失調症患者における 糖尿病関連要因を多面的に検討し、糖尿病合併リスクの軽減を念頭とする予防的介入策や、糖尿病合併後の治療と生活環境調整に寄与する 科学的根拠を示すことをめざしている。殆どが慢性的経過をたどる統合失調症患者における糖尿病の治療ガイドラインの検討に役立つと期待され、 医学的・社会的意義に富む研究であると考える。

個人情報の扱い

「連結可能匿名化」を行い、個人情報を保護する。

問い合わせ先

大阪大学大学院医学系研究科 環境医学 准教授 喜多村 祐里
連絡先電話番号 06-6879-3921

大阪大学医学部附属病院の倫理審査委員会(IRB)承認課題