最終更新日
2014.11.13

既存の大規模コホートデータの二次利用推進に資する研究 (三府県コホートデータを用いた疾病死亡ならびに罹患に関するリスク要因の探索と大規模データの一意性についての検討)

2014.11.13 倫理審査委員会承認

IRB承認
対 象

宮城県(3地域)、愛知県(2地域)および大阪府(4地域)の都市部とその対照区域に居住する40歳以上の全住民に調査票を配布し、 回答の得られた100,629人(回収率:84.7%)を対象としており、1983年から1985年にかけてベースライン調査が行われ、 その後10年および15年の2点で住民基本台帳ならびに地域がん登録との照合による転帰(生存、死亡、転出)および死因に関する追跡調査が行われた。 本研究ではこの三府県コホート研究の対象者を対象とする。

研究機関

大阪大学大学院医学系研究科環境医学

目 的

地域の中核的精神保健医療を担う単科精神病院の協力を得て、一定の入院期間を有する統合失調症患者を対象として、 糖尿病合併に関連するさまざまな要因を疫学的手法を用いて探索するとともに、患者のライフコースに着目した 社会的要因との関連について多面的に検討する。

方 法

既存のコホートデータを使用するため、割り付けなどは行わない。
解析手法は統計ソフトおよびプログラムを用いて、様々な暴露要因と疾病死亡および罹患リスクを人年計算により算出する。 一意性の検討についても同様のソフトおよびプログラムを用いて各従属変数をグループに丸めることにより一意データ数の変化を調べる。

意 義

既存の大規模コホートデータの二次利用を推進することは、公衆衛生上の貴重な情報が得られるばかりでなく、 希少癌など罹患率の低い疾病リスクの検討(プール解析)や、コホート研究の費用対効果の向上に大きく貢献すると考えられる。
本研究で計画している網羅的解析は疫学的観点からも有意義であると考えられ、いわゆるパブリケーション(出版) バイアスの問題解決に向けた具体的な取組みとして評価されうるものである。今後、こうした取組みが波及することにより、 エビデンスベースドメディスン(EBM)の実践に欠くことの出来ない臨床疫学や様々なガイドライン策定の重要な根拠とされる メタ解析やシステマティックレビューの信頼性・妥当性向上に大きく貢献することが期待される。

個人情報の扱い

「連結可能匿名化」を行い、個人情報を保護する。

問い合わせ先

大阪大学大学院医学系研究科 環境医学 准教授 喜多村 祐里
連絡先電話番号 06-6879-3921

大阪大学医学部附属病院の倫理審査委員会(IRB)承認課題