「秋つらつら」

  青空に飛び回る赤とんぼは秋の到来を告げていますが、机の上の赤はと言えば、一言日誌当番を知らせるポスト型の貯金箱。過去に山本さんが『オアシスのような』と表現していらっしゃいますが、私にとっては、『真っ赤に燃える毒キノコ』。そう、秋はやっぱりキノコです。エノキ、ヒラタケ、マツタケ、シメジ。大好きなナメコは勿論ですが、ハナビラタケやサルノコシカケのような、見目麗しい実力派達も捨てがたい。キノコではありませんが、加藤研の実力派たちも秋本番。11月のゲノムひろば準備に余念がありません。加藤研の秋は、ゲノムひろばに始まって、ゲノムひろばに終わるようです。

コアメンバーでない私の秋はといえば、読書の秋。新しい順に『日本の科学/技術はどこへいくのか』by中島秀人、そして『πの歴史』byペートル・ベックマン、『世論』byウォルター・リップマン等を読み直し、1人にやける京の秋。歴史的事実や現在の社会状況を、1つの軸の上に構成していく論理に頷き、時として顔を出す意外な展開に目を見張る過程には、えもいわれぬ妙味がございます。見張った両目をそのままに、ふと窓の外に目をやって、「あ、降りる駅を過ぎてしまった・・・」と慌てふためく秋の夜に飛ぶカブト虫・・・。

(ひがしじま)