デュッセルドルフより(休暇中の番外編)

ドイツのデュッセルドルフという街に来ています。ここは日本の商社や大会社のブランチも多くて、「日本通り」があるほど。おにぎりも簡単に手に入ります。ここのクリスマスはとても静かで、おだやかでした。みんな家族と過ごす24日の晩には、お店というお店が全部閉まって、まるで日本のお正月のよう。人っ子一人いない真っ暗な街に、教会の鐘が鳴り渡っていました。

htkt_2004_04  この街のオペラ劇場で働いている親友がいるので、稽古に連れて行ってもらったり、歌い手さんたちと一緒にご飯を食べたりしています。昨日はプッチーニのオペラ「ボエーム」の立ち稽古を覗いて来ました。歌詞はイタリア語、演出の指示は基本的にドイツ語、それにロシア人のテノールのお兄さんは時々英語で答え、スイス人のバリトンのおじさんはフランス語で話し掛けてくる、といった具合。こんな状態が当たり前なのだそうです。

 

htkt_2004_03もちろん、個性的な面々が本気でコミュニケートするときには、忍耐も必要。でも、大勢でひとつのものをつくり上げる醍醐味は、世界のどこでも同じです。なんだかそれがうれしくて、ニヤニヤしながら眺めていたら、稽古のエキストラに使われてしまいました。音楽に合わせて出て行って、小道具を渡して帰ってくるだけなのですが、一回やったら、指揮者の人が「デビューおめでとう!」と走ってきてくれました。みんなフレンドリーです。

写真(上):稽古場の風景
写真(下):楽屋でバリトンのブルーノと(裏方さんの格好ですが、これが衣装だったのです)

(加藤牧菜)