「諸氏の初志と私の所思と。要するにつれづれなるままに。」

若葉から青葉へ、木々の緑が香る季節の到来です。
5月も半ばを過ぎるところ・・・と書いて気づきましたが、
わたくし、去年もまったく同じ思考経路をたどったよ
うで、同じような内容を、同じように一言日誌に書い
ておりました。歴史は繰り返す、といいます。「歴史」を
「行動」に置き換えると無理がありますか。そうはいっても、
原文の意とはかけ離れることにはなりますが、
記憶の痕跡をたどって同一の行動を繰り返すのが、一種、
生き物の性なのではないかしら。自分1人の行動から、
生き物全般に一般化してしまうのは無茶といえば無茶。
しかし、このような一般化は、私1人に特異的なことでは
ないような気がいたします。

だらだら書いております。私の脳内を描写してもつまらないので、
研究室の風景をご紹介することにいたしましょう。
5月の風物詩である青葉が、そして年頭の思いが色あせぬうち、
現在在室中のメンバー8名に、「今年の目標」の達成度合いを
聞いてみました。個人個人の細かい事情や目標の性質によっても
返答は変わりますが、その点はご容赦いただいて。

達成度の高い順から、「すでに今年の目標を達成した方が1名、
「半分は達成した」方が2名。後者は「今年も半分過ぎたので、
目標も半分くらい達成した」方と、「2つの目標の1つを達成した」
方に分かれます。前者はなんだかうらやましい。・・・うらやましさ
の対象は、思考回路か現実か。

続けましょう。「まだまだ遠い」とお答えになったのが4名。
ちなみに私も含まれます。現実的と捉えるべきか、まじめだなあ、
と見るべきか。面白みがないのかもしれません。詳しくお伺い
すれば、きっと面白いのでしょうが、一言日誌でどこまで
プライベートな事柄を公開すべきかという問題もあります。
しかし複雑な問題は避けましょう。

最後は伸びやかな修士課程の学生さん。「向上心ゼロです。
目標に向かって努力するなんて愚かなことです。
・・・(中略)・・・。目標は1年の最後に立てる予定なので、
今は半分程度といったところでしょうか」
解釈に苦しむ(べき)発言なのか、解釈を楽しんでよい発言なのか、
書いているわたくしも複雑です。難問と捉えるべきなのか、
シンプルにほほえむべきなのか。人生に許された1つの楽しみは、
「解釈の自由」なのでしょうけれど。

あまりだらだら書きすぎると「暇だね」と言われるような
気がして参りました。このあたりで、今週の一言日誌も
終わらせていただこうかと存じます。

来年の5月には、いったい何を考えているのかしら、ねえ。

 

(東島仁)