第34回日本ロボット学会学術講演会(山形、2016年9月7~9日)に参加してきました。(恋水諄源)

縁あって、日本ロボット学会学術講演会の「ロボットの社会的価値を考える」というセッションで発表をしてきました。現在研究中の、介護ロボットのELSIについて、海外での文献上の議論を中心に報告しました。

セッションテーマは介護ロボットに限ったものではなく、人とロボットの相互作用(Human-Robot Interaction; HRI)、ロボットの倫理、社会におけるロボットの位置づけ、といった切り口から、介護ロボット、自動運転車、その他の実験的ロボットなど、様々なロボットについて議論が行われました。

このセッションは昨年も同じテーマで開かれていましたが、座長の先生いわく、昨年より聴衆は多かったということです。人と関わるロボットが次々に発売されている現状をうけて、ロボットと社会の関わり方への注目が集まりつつある、ということでしょうか。私の発表に対しても多数の質問をいただき、聞いていただいた方々の関心の高さを感じました。

日本ロボット学会に参加するのは初めてで、参加しているのは工学系の研究者ばかりかと思っていたのですが、人文学の研究者や、医師の参加もあり、意外と学際的な(少なくとも医学の学会よりは)雰囲気を感じました。さらに医療ロボットについての研究や、人間の動きを分析研究を取り上げたセッションも聞きながら、もっと工学系研究者と医療者のインタラクションが増えていってもいいのではないかな、と感じました。

しかしその一方で、他分野の人々と協働していくためには、専門外の人に訴えかけ、専門外のことを理解するための、分野横断リテラシーともいうべき知識・技術・作法が必要だな、ということも、改めて感じました。教養、とも言えるのかもしれませんが、そう言ってしまうと、私には何となく浅く聞こえてしまいます。もっとこう、サイエンス+アート、的な奥深い何かなのではないかと…。

何を言っているか分からなくなってきましたが、ともあれ、非常に勉強になった3日間でした。