「福岡の熱気」

あけましておめでとうございます。みなさまの2006年がよい年でありますように。

 さて、昨年の12月の話題です。福岡で行われた分子生物学会の枠特別枠ワークショップに参加して参りました。以下、その報告です。

 9日の「研究を伝えること、研究に伝えること-生命科学のコミュニケーション-」のワークショップでは、コミュニケーションの現場で活躍する若手の面々が登場しました。リアリティあふれる発表は、どれも具体的な示唆に富んでいて非常に興味深かったです。フロアも交えたディスカッションでは、「研究者は、研究とアウトリーチ活動をどう両立させるべきか」「研究者のアウトリーチ活動に対する評価はどうしたらよいか」といった話題について、活発な意見交換が行われていました。

 10日の朝は、「初等中等教育における生命科学教育の危機的状況に向かって-研究者と高等学校の真の連携を考える-」というタイトルのワークショップでした。現場で試行錯誤をしておられる高校の先生方の、「実体験」をもとにした発言には、説得力がありました。カリキュラム作りの問題だけでなく、他の教科との連携をどうするか、大学との関係をどうするか、といった幅広い話題が次々と提示されました。また、生命科学の研究者コミュニティが声を上げることも、強く求められていました。

 11日の日曜日には、エルガーラホールで「ミニ・ゲノムひろば」が行われました。学生さんたちが大勢来場してくださって、大盛況! 私も、「そもそもゲノム」の解説員としてパネルの前に立ちました。熱心な高校生と一緒にパネルをまわって、はしゃいできました。同時に行われた市民講座でも、それぞれの先生が面白い話題を提供して下さいました。石川冬木先生のお話を聞き、なんとか一日の摂取総カロリーを減らそうかと思いましたが、博多の美味の前に、試みはもろくも崩れ去りました。

(加藤牧菜)