ホームページをリニューアルしました その他いろいろ

4ヶ月ぶりの「ひとこと」です。
この間に実に多くのことがありました。

まず初めの報告は、10月末のホームページのリニューアルです。主として研究員の加藤牧菜さんが中心になってリニューアル用のページを作成して下さり、「メンバー」欄、「研究」欄などが 新しくなりました。今後、「研究室メンバーのひとこと日誌」は毎週更新の予定ということで楽しみです。 研究室の女性たちはとてもパワフルで、僕も負けてはいられないと毎日気合を入れています。

その他、記録代わりに夏から秋にかけての出来事をメモしておきます。

(1)「ゲノムひろば2004」が無事終わりました(7月31日8月1日福岡、8月7-8日京都)。今年も各会場ほぼ千人の来場者があり、大いに盛り上がりました。現在、3年間の結果をまとめた報告書を作成中です。

(2)今年の3月に終了した科学技術振興調整費のプロジェクト「アジアにおける生命倫理に関する対話と普及」(代表:京都大法学研究科・位田隆一教授)の報告会で発表を行いました。 (8月4日東京、8月10日京都)

(3)生命科学研究科・平成17年度大学院修士課程入学試験を実施(8月11-12日)。生命文化学分野の志望者は7名で、5名の方に合格通知を出しました。志望者も合格者も、生命科学系出身者と文科系学部出身者が ほぼ半々ずつでした。何名の方が来年4月に入学されるかはわかりませんが、初めての修士課程学生が誕生することは間違いなく、研究室はさらに賑やかになりそうです。

(4)特定領域ゲノム4領域の班会議に参加(8月18-20日神戸)。

(5)「ティータイムon ゲノムひろば」を開催。「ゲノムひろば2004」の京都会場で、「ゲノムひろば」に関する感想・意見などを後日改めて聞かせていただける方を募集しました。 5名の方が希望して下さり、8月23日の午後、生命文化学の研究室でお茶とケーキをいただきながら、いろいろな意見を聞かせていただきました。

(6)立命館大学先端学術総合研究科での集中講義(9月13-18日)。昨年から始めて2年目。生命科学そのものについての話を盛り込みながら、生命倫理、コミュニケーションなどについて講義しています。 少数精鋭で活発に議論ができる雰囲気で、熱意と力のある学生さんに毎年会えるのは面白い。

(7)国際ハップマップ計画運営会議に参加(9月19-21日英国ケンブリッジ)。ヒトゲノムの多様性が具体的にどのようなものかを調べようというプロジェクトです。日米英中加の5ヶ国が参加する 国際プロジェクトで、生命倫理の立場から私も参加しています。12月には次の会議が日本で開催されます。ヒトゲノム研究の最先端で何が起こっているのか。その一端を垣間見ています。

(8)奈良先端科学技術大学院大学での講義(10月29日、11月2日)。バイオテクノロジー特論という枠の中で、「生命科学と社会」をテーマに合計4コマの講義をしました。今年で4年目です。 取り上げた内容は、生命科学における普遍性と多様性、生命を持つ存在の歴史性、生命倫理、科学コミュニケーションなどです。一通り社会的課題について話した後、最後のところで、生き物の世界の持つ 芸術的側面や(例えば「細胞の写真展」)、歴史の産物としての巧妙な生命の仕組みを理解することで、生命を持つものに対する畏敬の念や愛情が生まれる可能性について話をしました。

以上、いずれも説明不足でしょうが、しばらくはこのようなメモ程度のひとこと欄を続けていくつもりです。

このところ、科学コミュニケーションという言葉が相当頻繁に使われるようになった気がします。けれども、よく見てみると多くの場面で、科学コミュニケーションが「科学や技術に対する理解増進」 と同義であったり、「科学者の説明責任を果たすための活動」という意味で使われていたりするのが気になります。私にとっての科学コミュニケーションはこれらとはかなり意味が違います。 生命誌研究館にいた頃から続けてきているつもりですが、やはり、生物学や生命科学を話題にすることを通して、「生命や自然について考える、生きることを考える、社会の中の科学について考える」というように、 「考えること」につながる研究と活動を目指したいと考えています。(これも説明不足でしょうが、また書きます)。