2011年度の初めに当たって
新しい年度が始まりました。
まずは3月11日の大震災において、被害を受けられた皆様に心からお見舞いを申し上げます。この大変な状況に、日本全体で立ち向かい、できるだけ早く復興できることを願うものです。
関西にいる私たちがなすべきことは、具体的、直接的な支援を行うことに加えて、それぞれがもともと携わっている活動をできる限り力強く進め、復興に向けて貢献すると同時に、日本が十分なエネルギーを持っていることを世界に示すことだと考えています。その意味で、ここ京都での研究と教育に一層、力を入れていこうという気持ちでいます。
私たちの研究室では、昨年度から、これまでの実践的科学コミュニケーション活動の比重を小さくし、ライフサイエンス研究の倫理的・社会的課題やガバナンスの課題に力を入れると表明してきました。昨年からスタートした「ゲノムELSIユニット」の活動や、それ以前から携わってきた再生医療の実現化プロジェクトの活動は、そうした流れの中で取り組んでいるものです。これらは、大きな意味では、いわゆる科学政策にも関連した研究でもあります。
ライフサイエンスの研究ポリシーを作る際には、専門家だけで決めるのではなく、広く社会の様々な構成員の意見や考えを取り込むことも重要です。そのためのコミュニケーション活動はやはり重要で、そうした新しい観点から科学コミュニケーションの分野に取り組んでいきます。
4日(月)には入試説明会が開催されます。上記で述べた分野に興味を持つ学生さんは、是非、気軽に研究室を訪問してください。ウェブサイトには十分紹介できていない、現在の研究内容について説明する予定です。