助教の相澤弥生、加藤和人教授らによる、日本の遺伝カウンセラーを取り巻く制度的、社会的課題に関する論文が公開されました

遺伝カウンセラーは非医師の遺伝カウンセリングの専門職であり、28カ国以上に約7,000人、日本だけでも約300人の認定遺伝カウンセラー®がいます(論文発表時点)。ゲノム医療の急速な進展により、この分野が拡大する一方で、遺伝カウンセラーが直面する課題も変化しています。本論文では、日本の遺伝カウンセラーを取り巻く制度的・社会的な問題を概観し、グローバルコミュニティとの関わりについて検討しました。

特に認定遺伝カウンセラー®が学会認定の民間資格であり、まだ国家資格ではないことではないことは喫緊の課題であり、ステークホルダー間のさらなる議論が必要であると考えています。さらに本論文では、遺伝カウンセラーが自らの実践を評価・改善し、制度的・社会的問題を検討するための研究が、その職業活動を発展させ、多くの人々に質の高い医療を提供するために重要であると提案しています。遺伝カウンセラーという比較的新しい専門職の立場と役割を確立するためには、遺伝カウンセラーが直面する制度的・社会的課題について、世界的に情報を共有し、協力していくことが有益であると考えます。

論文題目:Institutional and Social Issues Surrounding Genetic Counselors in Japan: Current Challenges and Implications for the Global Community

掲載誌:Frontiers in Genetics

DOI:10.3389/fgene.2021.646177

 

https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fgene.2021.646177/full