FTLD-j - 日本人前頭側頭葉変性症の自然歴・生体試料レジストリと病態抑止治療開発フロンティア

患者・ご家族の皆さまへ: FTLD研究にご協力ください

FTLD-Jは、前頭側頭葉変性症(FTLD)の治療開発を目指した全国的な調査研究組織です。
FTLDの症例などを集めて治療開発や医学研究に役立てるため、全国の大学、医療機関など
多数の施設が参加しています。

ご挨拶

当ウェブサイトをご覧いただき、誠にありがとうございます。

私たちは、前頭側頭葉変性症(FTLD)の原因解明と新たな治療法の開発を目指し、全国レジストリ研究「FTLD-J」に取り組んでいます。レジストリ研究とは、患者さんの情報を長期間にわたって収集・解析し、病気の自然経過を科学的に評価する研究手法です。

このたび、FTLD-Jに関する情報を広く提供するため、本サイトを開設いたしました。

FTLDは、前頭側頭型認知症(FTD)とも呼ばれ、国の「指定難病」に指定されています。この病気は、主に脳の前頭葉や側頭葉にある神経細胞が選択的に変性することで、性格や行動の変化、言語障害などが現れる疾患です。病初期には、いわゆる「物忘れ」は目立たないことが多いですが、行動の変化や言語の問題は、患者さんやご家族の生活に大きな影響を及ぼします。

残念ながら、現在、FTLDの原因や進行メカニズムはまだよくわかっていません。また、患者さんによって症状の現れ方が異なるため、診断には時間がかかることもあります。

本研究では、全国の脳神経内科および精神科の医師、メディカルスタッフと協力し、FTLD患者さんやご家族から提供いただいた臨床情報、臨床画像、血液サンプルなどを収集しています。

2016年の研究開始以来、250人以上の患者さんにご登録いただいておりますが、より精度の高い診断法や患者さん一人ひとりに最適な治療法を確立するためには、さらなる研究が必要です。そのためには、より多くの患者さんやご家族のご協力が欠かせません。

私たちは、収集した情報や試料をもとに、病気の進行や特徴を明らかにし、精度の高い診断法や最適なケア方法、新たな治療方法の開発を目指しています。

本サイトでは、FTLD-J研究の目的、参加方法などについてご案内しています。
FTLDへの理解を深め、より良い診断法、ケア方法、薬物療法などの治療法の開発に繋げるため、ぜひ本研究へのご協力をお願い申し上げます。

2025年3月10日
大阪大学大学院医学系研究科精神医学
教授 池田 学