消化管研究室・消化管疾患臨床研究グループ

 消化器の癌では、その特徴が臓器別、組織型別、部位別に異なっており、これらを如何に早期発見するか、また的確に評価するかが重要となります。

 内視鏡診断面では通常観察に加え、色素内視鏡、IHb画像や近赤外画像、NBI画像、自己蛍光画像、超音波内視鏡(EUS)などの技術があり、特に消化管の早期癌では粘膜表層の集合細静脈を観察する拡大NBI画像や色素内視鏡、EUSにより有用な情報を集めることができます。他方、膵疾患では高解像度CTやMRCP、FDG-PET/CTなどが有用です。これらの情報を基に研究室のメンバーで週1回症例検討を行い、外科スタッフとも臓器別検討会を行って治療方針を決定しています。

 消化管の早期癌については患者ご本人の同意の下に内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)や粘膜切除術(EMR)を実施しています。切除組織は病理医と合同検討会を行い、各人の診断・治療技術の向上に資しています。さらに低侵襲な治療をめざし新たな治療法や内視鏡技術を開発中です。

 癌治療ではその予後を考えると手術よりも化学療法や化学放射線療法が望ましい場合があります。これらに対する抗癌薬の投与量や組合せの最適化は極めて重要です。進行癌、悪性GISTなどに加え、食道癌や膵癌など内科で治療する機会の多い癌を対象に、関連施設と合同でより効果的で安全性の高い組合せを検討しています。