大阪大学 消化器内科学 自主臨床研究
研究課題 | プロテアーゼ阻害剤/ペグインターフェロン/リバビリン併用療法もしくはペグインターフェロン/リバビリン併用療法不耐用のC型慢性肝炎に対するインターフェロンβ/リバビリン併用療法への切り替え療法の有用性の検討 |
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実施期間 | 2018年3月31日まで |
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研究機関 | 大阪大学医学部付属病院 消化器内科 および以下の関連施設 国立病院機構大阪医療センター 消化器科、 国立病院機構大阪南医療センター 消化器科 国立病院機構南和歌山医療センター 消化器科、 大阪労災病院 消化器内科 関西労災病院 消化器内科、 大阪警察病院 消化器内科 大阪府立成人病センター 肝胆膵内科、 大阪府立急性期・総合医療センター 消化器内科 公立学校共済組合近畿中央病院 消化器内科、 国家公務員共済組合連合会大手前病院 消化器内科 大阪厚生年金病院 消化器内科、 県立西宮病院 内科 箕面市立病院 消化器内科、 市立池田病院 消化器内科 市立伊丹病院 消化器内科、 市立豊中病院 消化器内科 市立吹田市民病院 内科 |
主任研究者 | 竹原 徹郎 |
研究目的 | 現在、1型高ウイルス量C型慢性肝炎に対する標準治療はプロテアーゼインヒビター(テラプレビル等)/ペグインターフェロン/リバビリン併用療法、もしくはペグインターフェロン/リバビリン併用療法となってますが(日本肝臓学会肝炎診療ガイドライン作成委員会編『C型肝炎治療ガイドライン第1版』)、以前よりペグインターフェロンには鬱や疲労感、皮疹、血小板数低下などの副作用が多く報告されており、治療を中止する症例が15~20%あることが報告されています(肝胆膵2004;49:1099-1121、肝胆膵2006;52:75-84)。インターフェロン治療を途中で中止した症例では治療を完遂した症例に比較し、再燃率の上昇、著効率の低下が認められることが報告されてますが、インターフェロン治療を中止した症例に対し、治療継続可能な抗ウイルス療法はないのが現状です。副作用の少ないインターフェロン製剤に切り替えて治療を継続し、予定治療期間を完遂することが望まれます。インターフェロンβ製剤はインターフェロンα製剤に比し、精神神経系副作用や不眠の発現頻度が低い、疲労感の程度が軽い、皮疹の発現頻度が低い、血小板数の低下が少ない等の特徴があります。したがって、プロテアーゼインヒビター(テラプレビル等)/ペグインターフェロン/リバビリン併用療法、もしくはペグインターフェロン/リバビリン併用療法において、副作用により治療中止となった症例に対し、インターフェロンβ/リバビリン併用療法に切り替えてインターフェロン治療を継続することで再燃率が低下し、著効率が向上する可能性があるものと考えられます。また、インターフェロンβ/リバビリン併用療法は現在、切り替え療法としては行われてはおらず、実際に切り替え療法が行われた際の副作用、安全性については明らかではありません。よって、本研究により切り替え療法におけるインターフェロンβ/リバビリン併用療法の安全性ならびに治療継続率、治療効果を評価することが必要と考えます。 |
対象 | 以下の選択基準を満たし、除外基準に抵触しないC型慢性肝炎の患者さんを対象とします。(予定症例数:80症例) 【選択基準】 1) 20歳以上 2) プロテアーゼインヒビター(テラプレビル等)/ペグインターフェロン/リバビリン併用療法、もしくはペグインターフェロン/リバビリン併用療法を中止した症例。 3) 3剤併用療法では治療開始12週未満の全症例(HCV-RNA陰性化症例、HCV-RNA非陰性化症例)、治療開始12週以降のHCV-RNA陰性化症例、または2剤併用療法では治療開始36週未満の症例(HCV-RNA陰性化症例、HCV-RNA非陰性化症例)、治療開始36週以降のHCV-RNA陰性化症例 4) 中止理由が①~⑤のいずれかである症例 ①鬱傾向の症状を発症した患者さん (SDSテストでは男性46点以上・女性51点以上もしくはBDI-Ⅱテストでは14点以上) ②不眠 ③高度の倦怠感(身体的、精神的な疲労感) ④ペグインターフェロンが原因として疑われる皮疹 ⑤血小板低下(50,000/mm未満) 【除外基準】 1) HBs抗原陽性B型肝炎ウイルス感染例 2) HIV抗体陽性ヒト免疫不全ウイルス感染例 3) 他の慢性肝疾患症例(自己免疫性肝炎、アルコール性肝炎など) 4) 非代償性肝硬変症例ならびに肝不全症例 5) 重篤な多臓器疾患合併症例、ならびに免疫不全状態にある症例 6) 重度のうつ病、その他重篤な精神疾患症例またはその既往歴のある症例 7) 慢性腎不全あるいはクレアチニンクリアランスが50ml/min以下の腎機能障害のある症例 8) 妊娠中、授乳中、妊娠を予定している患者さん 9) ヘモグロビン8.5g/dL未満 10) 血小板数25,000/mm3未満 11) 好中球数500/mm3未満 12) 医師、責任医師が不適と認めたもの |
プライバシーの 保護 |
本研究ではC型慢性肝炎患者さんの治療経過を研究対象とします。 プライバシー確保のため、患者さんが特定できないようにデータを処理した上で研究解析を行います。また、研究結果を公表する際には、患者さん個人が特定されることはありません。 |
本研究に関する 問い合わせ先 |
大阪大学消化器内科学 藥師神 崇行(講師) 連絡先電話番号:大阪大学消化器内科学(06-6879-3621) |


