大阪大学 消化器内科学 自主臨床研究
研究課題 | 高齢者における早期大腸腺癌に対する内視鏡的粘膜下層剥離術の長期成績:多施設共同後ろ向きコホート研究 |
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実施期間 | 2023年3月31日まで |
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研究機関 | 大阪大学大学院医学系研究科 消化器内科学 および以下の関連施設 大阪警察病院 消化器内科 大阪労災病院 消化器内科 関西ろうさい病院 消化器内科 国立病院機構大阪医療センター 消化器内科 市立伊丹病院 消化器内科 市立豊中病院 消化器内科 箕面市立病院 消化器内科 堺市立総合医療センター 消化器内科 国立病院機構大阪南医療センター 消化器科 大手前病院 消化器内科 県立西宮病院 消化器内科 大阪国際がんセンター 消化管内科 市立吹田市民病院 消化器内科 八尾市立病院 消化器内科 済生会千里病院 消化器内科 JCHO大阪病院 消化器内科 大阪急性期・総合医療センター 消化器内科 市立池田病院 消化器内科 市立東大阪医療センター 消化器内科 市立貝塚病院 消化器内科 市立芦屋病院 消化器内科 医療法人西山会 にしやま消化器内科 |
主任研究者 | 大阪大学大学院医学系研究科 消化器内科学 教授 竹原徹郎 |
研究目的 | 早期大腸腺癌に対する内視的粘膜下層剥離術(endoscopic submucosal dissection, ESD)は外科手術と比べて体への負担が少なく、高齢者に対しても積極的に行われる治療です。ESD後は切除標本の病理学的評価により根治度判定を行いますが、根治基準を満たさず非治癒切除と判定された場合は、所属リンパ節転移の可能性があるため追加外科切除が推奨されています。しかし、非治癒切除と判定された場合の全てに所属リンパ節転移を認める訳ではないため、高齢者では体への過剰な負担を避けるために追加外科切除を行わないこともあります。ところで、高齢者の早期胃・食道癌に対するESD診療においては、非治癒切除後の追加治療の有無によってその後の生存期間に差はないとの報告があります。また、予後栄養指数(prognostic nutritional index, PNI)やチャールソン併存疾患指数(Charlson comorbidity index, CCI)などの患者さんの全身状態の評価尺度がESD後の生存期間と関連しており、それらの評価尺度が非治癒切除であった場合に追加外科切除を行うかどうかを決める上で参考になると報告されています。しかし、早期大腸腺癌に対するESD診療においても同様のことが言えるかは明らかではありません。そこで、75歳以上の高齢早期大腸腺癌患者に対するESD後の長期成績を多数例で調査し、実態を明らかにすることとしました。本研究の主な目的は、75歳以上の高齢者においてESDによる病変の根治性や非治癒切除であった場合の追加外科手術の有無がその後の生存期間と関係しているかを明らかにすることです。また、患者さんの全身状態の評価尺度であるPNI、CCIあるいはその他の指標がESD後の生存期間の予測に役立つかどうかも探索します。 |
対象 |
大阪大学及び関連施設(上記の研究機関の項を参照)にて2009年6月から2019年12月の間に早期大腸腺癌(粘膜内癌あるいは粘膜下層浸潤癌)に対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を行った75歳以上の患者さん。 予定症例数は以下の通りです。 ① 大阪大学医学部附属病院:約50人 ② 全体(全施設):約700人 |
研究方法 | 大阪大学医学部附属病院及び関連施設の診療録(カルテ)から上記対象患者さんの情報を収集します。情報収集項目は、患者背景(性別・年齢・治療日・併存疾患等)、治療病変の背景(部位・大きさ・肉眼型・深達度・組織型等)、治療時短期成績(切除病変の根治性評価・治療に伴う合併症・追加外科切除の有無等)、治療後長期成績(治療病変の再発有無・生死・最終生存確認日・死亡日・死因等)です。対象患者さんを(1) 治癒切除群、(2) 非治癒切除+追加外科切除群、(3) 非治癒切除+経過観察群の3群に分け、全生存率、疾患特異的生存率、無再発生存率、無病生存率等を比較します。また、治療後の生存期間と関連する患者背景や病変背景を探索的に解析します。 |
利用する者の範囲 | 大阪大学医学部附属病院、及び関連施設において得られた情報は大阪大学大学院医学系研究科消化器内科学に集積され、利用・解析されます。 |
試料・情報の管理について 責任を有する者の 氏名または名称 |
大阪大学消化器内科学 林 義人 |
プライバシーの 保護 |
プライバシー確保のため、患者さんが特定できないようにデータを処理した上で研究解析を行います。また、研究結果を公表する際には、患者さん個人が特定されることはありません。ご自身のデータを使ってほしくないとお考えの場合は、2021年3月31日までに下記にご連絡ください(代理人(近親者)による申し出でも構いません)。 |
本研究に関する 問い合わせ先 |
大阪大学消化器内科学 林 義人 連絡先電話番号:大阪大学消化器内科学(06-6879-3621) |


