大阪大学 消化器内科学 自主臨床研究

 
研究課題 抗凝固薬内服例における食道上皮性腫瘍の内視鏡的切除後出血に関する多機関共同遡及的研究
実施期間 研究許可日~2029年12月31日まで
研究の対象 下記のすべてを満たす方
・2012年1月~2024年5月に、研究に参加している病院で食道の内視鏡治療を受けた。
・治療後の病理組織診断で表在型食道癌または食道異型上皮と診断された。
・治療を受けた際に抗凝固薬(直接経口抗凝固薬(direct oral anticoagulant:DOAC)またはワルファリン)を内服していた(治療のため薬を一時的に中止・変更していた場合も含みます)。
研究の目的・方法 背景および目的:本邦における食道癌の人口10万人あたりの死亡患者数(死亡割合)は8.0人であり、臓器別で7番目に多いです。一方で、内視鏡機器の性能向上により早期に発見される食道上皮性腫瘍が増加しています。また、Endoscopic Submucosal Dissection(ESD)が開発され、腫瘍径が大きい病変に対しても内視鏡的切除が可能となり、現在食道癌を含めた転移リスクの極めて低い食道上皮性腫瘍に対して内視鏡的切除が標準治療となりました。
一方、近年本邦では、高齢化に伴い虚血性疾患を有する患者さんが増加しており、抗血栓薬を内服する患者数も増加しています。実際に、内視鏡検査を受けた患者さんの15.5%が抗血栓薬を内服していたという報告があり、内視鏡的切除においても同様に増加していると報告されています。
内視鏡的切除には偶発症として治療後の出血があり、具体的な割合としてESDでは、胃で4.8%、大腸で2.8%に対して、食道はわずか0.7%と稀です。しかし、抗血栓薬を内服している患者さんにおける内視鏡的切除では治療後の出血割合が高く、特に抗凝固薬(DOACまたはワルファリン)を内服している患者さんのESDでは、胃でDOAC 14%、ワルファリン 18%、大腸でDOAC 16%、ワルファリン 7.7%と報告されており、内服していない患者さんと比較して高割合です。食道の内視鏡的切除においては、がん研有明病院から、DOACで2/16例(13%)と治療後の出血割合が高割合である一方、ワルファリンでは0/5例(0%)と治療後の出血を認めなかったと報告されています。しかし、1つの病院での研究であり、本邦でDOACが保険適応となった黎明期の患者さんが主な研究の対象であったため、ワルファリンを含め患者数が少なく、治療後の出血リスク因子の詳細は不明でした。抗凝固薬を内服している患者さんに対する食道の内視鏡的切除の多数例での治療成績において、治療後の出血リスク因子を明らかにすることは、治療後の出血を予防できる可能性を有する点で、内視鏡的切除の安全性において意義を有します。実際、抗凝固薬を内服している患者さんにおける胃腫瘍に対する内視鏡的切除において、ダビガトラン以外のDOACを内服していることが治療後の出血リスク因子であることが報告されており、DOACの種類をダビガトランに変更する事で、出血リスクを減少できる可能性が報告されています。よって、本研究では、多数の病院が共同で症例を遡及的に集積し、抗凝固薬を内服している患者さんにおける食道上皮性腫瘍に対する内視鏡的切除の治療成績および治療後の出血リスク因子を明らかにすることを目的としました。

方法:本研究は、研究に参加している病院に保管されている対象患者の診療情報(診療録、血液検査所見、内視鏡画像・所見記録、手術所見、病理所見)を収集し行われます。患者さんに負担、リスクあるいは利益は生じません。
研究に用いる試料・情報の種類 本研究に用いる下記の試料・情報につきましては、倫理審査員会の承認を受けた研究計画書に従い、個人が特定されないように適切に匿名化処理を行った上で取り扱っています。
情報:病歴、内視鏡治療の治療歴、副作用等の発生状況等
試料:血液、内視鏡治療で摘出した組織等
外部への試料・情報の提供 研究の対象患者には研究用番号を付与し、個人識別情報(氏名、住所、診療録番号等など)は使用しません。研究用番号と個人識別情報(氏名など)を結ぶ対応表は、各機関の研究責任者が管理し、容易に個人を特定できないように加工した状態のデータのみを収集します。対応表は外部に提供することはありません。研究責任者は外部とは独立したパーソナルコンピュータでデータを管理し、研究責任者が管理するパスワードを設定し、コンピュータをセキュリティの厳重な部屋に保管することにより、情報の漏洩に対する安全対策を講じます。他の機関にデータを提供する場合は、パスワードが設定された状態で電子的配信にて送付します。研究結果の報告、発表に関しては個人を特定される形では公表しません。
研究組織 試料、情報の収集を行う機関: 公益財団法人 がん研究会 がん研有明病院

研究代表者/研究責任者: 堀内 裕介
公益財団法人 がん研究会 がん研有明病院 消化器内科 医長
135-8550 東京都江東区有明3-8-31
Phone 03-3520-0111
FAX 03-3570-0343
E-mail: yusuke.horiuchi@jfcr.or.jp

研究事務局: 栗原 渉
公益財団法人 がん研究会 がん研有明病院 消化器内科 医員
135-8550 東京都江東区有明3-8-31
Phone 03-3520-0111
FAX 03-3570-0343
E-mail: wataru.kurihara@jfcr.or.jp

研究事務局: 富田 英臣
愛媛大学医学部附属病院 光学医療診療部 助教
791-0295 愛媛県東温市志津川454
Phone 089-960-5596
FAX 089-960-5310
E-mail: hideomi.tomida.epch@hotmail.com

本研究の母体となる研究会およびグループ代表者: Fight-JAPAN研究会
グループ代表者 辻陽介
東京大学医学部附属病院 次世代内視鏡開発講座/消化器内科 特任准教授
113-8655 東京都文京区本郷7-3-1
Phone 03-3815-5411
E-mail: ytsujitky@g.ecc.u-tokyo.ac.jp

試料、情報の提供を行う医療機関および機関代表者:
本研究はFight-JAPAN研究会参加機関による共同研究です。研究参加機関、各機関の研究責任者は下表のごとくで、症例は機関番号、連続した研究用番号で管理します(例:01-001)。研究分担医師は登録期間内に新たな追加ができます。

医療機関名 科名 研究責任者
弘前大学医学部附属病院(機関番号 01) 光学医療診療部 三上達也
岩手医科大学附属病院(機関番号 02) 消化器内科 鳥谷洋右
東北大学病院(機関番号 03) 消化器内科 八田和久
福島県立医科大学附属病院(機関番号 04) 内視鏡診療部 引地拓人
筑波大学附属病院(機関番号 05) 消化器内科 奈良坂俊明
国立健康危機管理研究機構 国立国府台医療センター(機関番号06) 消化器・肝臓内科 矢田智之
東京都立墨東病院(機関番号 07) 消化器内科 古本洋平
日本大学医学部附属板橋病院(機関番号 08) 消化器・肝臓内科 鈴木晴久
日本大学病院(機関番号 09) 消化器内科 三浦義正
東京慈恵会医科大学附属病院(機関番号 10) 内視鏡部 土橋昭
東京大学医学部附属病院(機関番号 11) 消化器内科 辻陽介
がん研有明病院(機関番号 12) 消化器内科 堀内 裕介、由雄敏之
神奈川県立がんセンター(機関番号 13) 消化器内科 滝沢耕平
信州大学医学部附属病院(機関番号 14) 消化器内科 岩谷勇吾
石川県立中央病院(機関番号 15) 消化器内科 中西宏佳
福井県立病院(機関番号 16) 消化器内科 波佐谷兼慶
京都医療センター(機関番号 17) 消化器内科 村田雅樹
大阪大学医学部附属病院(機関番号 18) 消化器内科 林義人
大阪国際がんセンター(機関番号 19) 消化管内科 金坂卓
大阪医療センター(機関番号 20) 消化器内科 阪森亮太郎
大阪市立総合医療センター(機関番号 21) 消化器内科 坂田侑平
大阪急性期・総合医療センター(機関番号 22) 消化器内科 井上拓也
大阪ろうさい病院(機関番号 23) 消化器内科 山田拓哉
市立豊中病院(機関番号 24) 消化器内科 山本政司
関西ろうさい病院(機関番号 25) 消化器内科 山口真二郎
山口大学医学部付属病院(機関番号 26) 消化管内科 五嶋敦史
愛媛大学医学部附属病院(機関番号 27) 消化器内科 日浅 陽一
宮崎大学医学部付属病院(機関番号 28) 消化器内科 三池忠
本研究に関する
問い合わせ先
研究の対象患者やその関係者からの相談については、下記相談窓口で対応します。相談は原則として電話又は電子メールで行うこととし、研究事務局、各機関研究責任者が責任をもって対応します。
(相談窓口)
研究事務局: 大阪大学大学院医学系研究科消化器内科学
(住所)吹田市山田丘2-2
(Phone)06-6879-3621
研究代表者/研究責任者:林義人
窓口:林義人