大阪大学 消化器内科学 自主臨床研究

 
研究課題 本邦における非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の実態と予後の解明
実施期間 2016年12月31日まで
研究機関 大阪大学 消化器内科学 および関連施設病院。
大阪大学 内分泌代謝内科学
高知大学 消化器内科学
広島大学 消化器・代謝内科学
主任研究者 竹原 徹郎
研究目的 食の欧米化に伴い本邦でも肥満者が増加し、メタボリックシンドローム患者が増加しています。Nonalcoholic fatty liver disease (NAFLD)はメタボリックシンドロームの肝臓における表現型です。NAFLDには良性の単純脂肪肝と、その進行したNonalcoholic steatohepatitis (NASH)が含まれ、NASHは肝硬変、肝臓癌へと進行しうる疾患です。本邦では人口の0.75%がNASH患者で、人数にして約100万人がNASH患者であると推定され、現在も増加の一途をたどっています。しかし、どのような単純脂肪肝患者がNASH患者へと進行するのかは不明であり、NAFLDの実態は現在充分に解明されておらず、その実態を解明することは急務です。今回アディポサイトカイン、内臓脂肪、酸化ストレス、小胞体ストレス、アポトーシスなどの観点から、本邦におけるNAFLDの実態解明をしていきます。また、NAFLDの病態進展を経過観察していくために、登録されたNAFLD症例の長期予後観察を行います。本研究は本邦におけるNAFLDの実態と予後の解明に重要な情報を供するものと考えられます。
対象 以下の必須項目、除外項目を満たす患者を対象として肝生検を行いNAFLDと診断された患者を対象とします。 必須項目 ・腹部超音波検査にてbright liver ・腹部CT(肝臓/脾臓コントラスト0.9未満) 除外項目 ・各種肝炎マーカー陽性者(HBsAg, HCVAb, ANA, AMA) ・アルコール性肝障害の除外(男性20g/日以上、女性15g/日以上、3ヶ月以上継続して) NAFLD症例として300症例の登録を予定しています。
研究方法 登録時に血清と尿の採取、肝生検を行う。診断に用いなかった余剰のサンプルを保存し、後日血中アディポネクチン、血中カスパーゼを測定し、酸化ストレスマーカーとして尿中8-epi-PGF2α測定、肝生検組織を用いて小胞体ストレス、アディポネクチン受容体発現を検討します。保存サンプルは研究終了時に廃棄します。登録後、患者を適切であると考えられる治療をしながら経過観察していきます。
研究の対象に該当する患者さんへ 本研究における患者のプライバシーに関する情報の保護については、守秘義務に従うことはもとより、登録患者の氏名を匿名化します。登録患者の同定や照会は、登録時に発行される大阪大学の施設内登録番号と登録時事務局の被験者識別番号を用いて行います。
本研究に関する
問い合わせ先
大阪大学消化器内科学 鎌田 佳宏(准教授)
連絡先電話番号:大阪大学消化器内科学(06-6879-3621)