大阪大学 消化器内科学 自主臨床研究

 
研究課題 B型慢性肝疾患患者におけるMDSCとNK細胞の免疫学的動態の解明
実施期間 2017年9月30日まで
研究機関 大阪大学 消化器内科学(単施設研究)
主任研究者 巽 智秀
研究目的 B型慢性肝疾患はB型肝炎ウイルス(HBV)感染により生じる病態です。HBVがヒトに感染すると肝細胞に侵入しウイルスが増殖します。感染したHBVが生体の免疫機構に認識されれば、HBVの排除を目的として免疫反応が起こります。しかしながらHBVに対する免疫反応において、MDSC(Myeloid-Derived Suppressor Cell)やNK(Natural Killer)細胞の役割については、いまだ詳細は不明です。本研究では、B型慢性肝疾患でおこる免疫反応におけるMDSCやNK細胞の意義を明らかにすることを目的とします。方法としては、末梢血血液試料から末梢血単核球(PBMC)と血清を各々採取します。PBMC中のNK細胞およびMDSCについてその頻度および免疫機能の評価を行います。血清については各種サイトカイン濃度を測定し、NK細胞活性化あるいはMDSC誘導に関与する液性因子を明らかにします。また、臨床学的背景や治療法などの違いに注目し、前向き研究を行います。
対象 疾患対象者・健康人ともに、以下の選択基準を全て満たし、除外基準のいずれにも該当しない者を対象とします。
(予定症例数:B型慢性肝炎 50例、B型肝硬変 50例、B型肝癌 50例、健康人 50例)

選択基準
1) 疾患対象者はB型慢性肝炎、B型肝硬変、B型肝癌の診断のもと、外来を受診している患者さん(罹病期間は問わない)
2) 健康人は、現在B型肝炎や肝癌を含む慢性疾患や悪性疾患のない者で、医師である研究者が健康人と判断できる者
3) 同意取得時の年齢が20歳以上(男女は問わない)
4) 参加について、本人から文書で同意が得られている

除外基準
1) 20歳未満の者
2) 妊娠中、授乳中、または妊娠の可能性のある女性
3) 重篤な感染症のある者
4) 重度の精神疾患を有する者
5) その他、医師である研究者が本研究への参加を不適当と判断した者
研究の対象に該当する患者さんへ 本研究ではB型慢性肝炎患者さんの血液を研究対象とします。プライバシー確保のため、患者さんが特定できないようにデータを処理した上で研究解析を行います。また、研究結果を公表する際には、患者さん個人が特定されることはありません。
本研究に関する
問い合わせ先
大阪大学消化器内科学 巽 智秀(医学部講師)
連絡先電話番号:大阪大学消化器内科学(06-6879-3621)