【大会企画6】情報セキュリティ人材の育成と適正な配置に向けて
ひとことで言うと
医療機関のサイバーセキュリティ対策には、組織体制の構築と情報セキュリティ人材の配置が必要であり、資格・教育・施設間連携を含めた育成と配置の仕組みづくりが課題である。
Keywords
サイバーセキュリティ、医療従事者支援、システム、情報セキュリティ、人材育成
なぜこの研究をしたのか
医療機関が適切なサイバーセキュリティ対策をとるためには、組織体制の構築と情報セキュリティ人材の配置が必要となる。医療機関ではサイバーインシデントの発生や厚生労働省の施策を背景に、医療情報システム安全管理責任者の配置が進んでいる一方で、情報セキュリティに関する資格や試験の保有率は低く、必要な知識をどのように担保するかが課題となっている。
どう調べたか
情報セキュリティ人材の配置状況についてアンケート調査を行い、あわせて医療系専門職における情報セキュリティ教育の状況を調査した。その結果をもとに、情報セキュリティ人材の育成や適正配置について整理した。
何がわかったか
情報セキュリティ人材の配置状況については、医療情報システム安全管理責任者の配置が進む一方で、情報セキュリティ関連の資格・試験の保有率は低く、知識の担保が課題であることが示された。
医療系専門職の教育状況については、診療放射線技師、臨床工学技士、診療情報管理士の教育カリキュラムには情報セキュリティに関する項目が含まれていたが、内容は総論的であり、追加の教育が必要と考えられた。現時点では、上級医療情報技師、医療情報技師の教育カリキュラムが、医療情報システムや情報セキュリティに関して充実していると整理された。
なぜ大事なのか
医療機関の情報システムを守ることは、安全な地域医療の継続性を確保するうえで重要である。個々の医療機関だけで対応するのではなく、「指導的立場の医療機関」が他の医療機関を指導し、点ではなく面で情報セキュリティ対策を進める体制が求められる。
次に目指すこと
「組織体制」「人材」「教育体制」の観点から、医療機関を「指導的立場の医療機関」「自院の情報システムを守ることができる医療機関」「他施設や企業の助けを借りて情報システムを守る医療機関」に分類し、それぞれに配置すべき情報セキュリティ人材が持つべき知識、備えるべきスキル、実行レベルを定義していくことが示された。