Keywords
システム、医療従事者支援、顔認証システム、発熱スクリーニング、小児科
なぜこの研究をしたのか
多くの小児科病棟では、感染症の持ち込みや児の連れ去りを防ぐために病棟を施錠管理している。大阪大学医学部附属病院小児医療センターでは、付き添い家族が入館する際、看護師または事務補佐員がカメラ付きインターホンで顔を確認して開錠していた。この対応は業務を中断させるものであり、COVID-19対策として発熱確認も必要になったことで、病棟職員の負担がさらに大きくなっていた。
どう調べたか
大阪大学医学部附属病院小児医療センターに顔認証システムを設置し、導入前後でインターホン呼び出し回数を比較した。導入前は2021年5月15〜21日、導入後は2021年10月9〜15日を調査期間とした。インターホンに記録された来訪者の映像と時刻のログから呼び出し回数を調査し、入院患者数の違いを考慮して病床数で補正した。導入前後の比較には対応のあるt検定を用い、有意水準は5%未満とした。
何がわかったか
小児科では、1日あたりの平均インターホン呼び出し回数が導入前85.40回から導入後59.29回に減少し、有意差を認めた。時間帯別では、6:00〜11:59と12:00〜17:59で有意差を認めた。
小児外科では、1日あたりの平均インターホン呼び出し回数は導入前58.52回、導入後47.14回であったが、有意差はみられなかった。
なぜ大事なのか
顔認証システムにより、付き添い家族の入館時に病棟職員がインターホン対応で業務を中断する回数を減らせる可能性が示された。また、本システムは体温確認と非接触の開錠という観点から、COVID-19対策にも有効であると考えられた。
次に目指すこと
顔認証システムへの登録を許可する家族は、患児の安全確保の観点から、ほぼ毎日付き添っている家族に限られていた。本検証では、病棟職員の業務支援にはある程度の人数の付き添い者の顔登録が必要であることが明らかとなり、顔登録対象基準の緩和が必要と考えられた。