[共同企画6] 電子カルテ情報共有サービスで安全に診療情報が共有されるために
ひとことで言うと
電子カルテ情報共有サービスでアレルギー等情報を安全に共有するには、既存電子カルテ情報とのマッピングや情報提示の粒度を整理する必要があることを示した研究。
なぜこの研究をしたのか
電子カルテ情報共有サービスでは、HL7 FHIRに基づき医療機関間でアレルギー等情報を共有できる。一方で、FHIRリソースの実装には一定の自由度があり、既存の電子カルテ情報とのマッピングが必要で、さらにアレルギー等情報の取扱いの粒度も医療機関ごとに異なる。そのため、電子カルテ情報共有サービス上で共通の粒度で情報が提示されないという医療安全上の課題が想定された。
どう調べたか
JAHIS電子カルテ委員会に所属する主要な電子カルテベンダ7社を対象に、アンケート調査とヒアリング調査を行った。調査項目は、「電子カルテシステムから電子カルテ情報共有サービスへのアレルギー等情報の出力」と「医療情報共有サービスへのアレルギー等情報の閲覧」であった。
何がわかったか
アンケート調査とヒアリング調査により、アレルギー等情報の連携における医療安全上の課題が明らかになった。また、ヒアリング調査を通じて、これらの医療安全上の課題を電子カルテベンダと共有することができた。
さらに、調査結果に基づき「既存情報の電子カルテ共有サービスへの出力方法の手引き」を作成した。この手引きでは、ClinicalStatus(臨床症状ステータス)、VerificationStatus(診断ステータス)、Category(原因物質のカテゴリー)、Meta(長期保存フラグ)について、既存の電子カルテ情報と電子カルテ情報共有サービスとのマッピング手法を取りまとめた。
なぜ大事なのか
アレルギー等情報は医療安全に関わる情報であり、電子カルテ情報共有サービス上で医療機関ごとに異なる粒度で提示されると、安全な情報共有の妨げとなる可能性がある。本研究は、既存電子カルテ情報を電子カルテ情報共有サービスへ出力する際の整理方法を示し、より安全な診療情報共有につなげるための課題を明確にした。