大阪大学医学部附属病院 医療情報部

Achievement Detail

Automated Access Control System for Pediatric Ward Safety: Workflow Impact

小児病棟の安全性向上を目的とした自動入退室管理システムが看護師の業務中断に与える影響

年度
2025
タイプ
学会発表
キーワード
システム, 医療従事者支援, 患者支援, 顔認証
Authors
Shozo Konishi, Kana Kodama, Kento Sugimoto, Shoya Wada, Katsuki Okada, Keisuke Nakashima, Chiyo Marumi, Yoshiko Nabetani, Toshihiro Takeda
Journal
Stud Health Technol Inform. 2025 May 15;327:1461-1462. doi: 10.3233/SHTI250650.
学会
MIE 2025
開催地
Glasgow, United Kingdom
PMID
40380753
doi
10.3233/SHTI250650

ひとことで言うと

小児病棟に顔認証と体表温測定を組み合わせた自動入退室管理システムを導入することで、来訪者対応に伴うインターホン呼び出しを有意に減らした研究。

なぜこの研究をしたのか

日本の小児病棟では、感染症拡大や小児の連れ去りを防ぐために病棟入口を施錠し、スタッフが来訪目的、家族であること、健康状態を確認している。従来のインターホンによる手動対応は看護師の業務を頻繁に中断しており、患者安全に影響する可能性があった。またCOVID-19パンデミック以降、来訪者の健康状態をより客観的かつ厳格に評価する方法が必要になった。

どう調べたか

小児医療センターの電子錠付きメインエントランスに、既存のインターホンシステムと統合した顔認証および体表温モニタリングを備える自動入退室管理システムを導入した。長期入院児の保護者など、認可された利用者の顔画像を登録し、来訪時に顔認証と体表温の条件を満たした場合のみ入室を許可した。

導入前後それぞれ1週間について、インターホン呼び出しログと来訪者による顔認証試行ログを解析し、1日あたりのインターホン呼び出し数と来訪者数を比較した。統計解析にはR version 4.2.2を用い、連続変数は中央値と四分位数で示した。

何がわかったか

自動入退室管理システム導入後、インターホン呼び出し数は139 [134, 145] から120 [96, 129] に有意に減少した(p=0.004)。

一方で、来訪者数は導入前139 [134, 145]、導入後150 [125, 153] で、有意差は認められなかった(p=0.710)。また、0:00〜6:00、12:00〜18:00、18:00〜24:00の時間帯では、インターホン呼び出し数が20%以上減少した。

なぜ大事なのか

看護師の業務中断は、パフォーマンス、患者ケア、職務満足度に悪影響を及ぼし、ストレス、遅延、エラーの増加につながることが知られている。本研究のシステムは、特に午後や夜間など業務負荷が高く人員が限られる時間帯のインターホン対応を減らしており、業務効率と患者安全の向上に寄与する可能性がある。

次に目指すこと

本研究では、顔認証と体表温モニタリングを用いた入退室管理システムの導入により、来訪者によるインターホン呼び出し数が減少したことが示された。今後の具体的な研究課題や追加検証については、一次資料内では明記されていない。