ひとことで言うと
再来受付機の混雑緩和を目的に、患者支援アプリでQRコードを読み取って受付できるデジタルチェックイン機能を導入し、導入後3か月で予約患者の8.4%がアプリ受付を利用した。
なぜこの研究をしたのか
病院では1日の来院患者が多く、診察までの待ち時間が長くなる傾向がある。大阪大学医学部附属病院でも、予約患者が早い受付番号を取るために受付開始前から来院し、再来受付機に行列ができていた。患者サービス向上と再来受付機の混雑緩和のため、既存の患者支援アプリにデジタルチェックイン機能を導入した。
どう調べたか
2025年5月7日から2025年7月31日までに来院した予約患者について、DWHから患者基本情報、受付日、受付手段を抽出し、再来受付機とアプリ受付の利用状況を調べた。複数回来院した患者では、初回来院時と2回目以降の受付手段の推移を比較した。また、アプリ受付で利用されたQRコード表示端末ごとの利用件数を集計した。
何がわかったか
調査期間中の予約患者延べ102,851名のうち、アプリ受付を利用した患者は8,661名で、利用割合は8.4%だった。月別では、5月7.6%、6月8.5%、7月9.0%と増加した。
複数回来院した患者22,644名では、「再来受付機→再来受付機」が19,884名(87.8%)で最多だった。一方で、「再来受付機→アプリ受付」は1,345名(5.9%)であり、2回目以降にアプリ受付へ移行する患者もみられた。QRコード表示端末では、1階正面玄関入口の利用が2,200件(25.4%)で最も多く、次いで1階駐車場側出入口が1,668件(19.3%)、臨床検査部受付が1,177件(13.6%)だった。
なぜ大事なのか
アプリ受付により、予約患者は再来受付機に並ばずに自分のスマートフォンで受付を完了できるようになった。また、当日の予定をアプリ画面で確認できるため、再来受付機で印刷されていた案内用紙のペーパーレス化にもつながった。患者の動線上にQRコード表示端末を分散配置することで、受付場所の分散と混雑緩和が期待される。
次に目指すこと
今後も継続的に利用者数を調査し、混雑緩和を目的としてQRコード表示端末の適正配置を進める。さらに、病院外からの遠隔チェックイン機能を患者支援アプリに追加する予定であり、来院時間の分散や利用率向上が期待される。