ひとことで言うと
病院情報システム端末のアクセスログから実際の利用時間を算出し、利用頻度の低い端末を現場ヒアリングと組み合わせて評価することで、27台の端末を回収し再配置に備えた取り組みである。
Keywords
EHR、システム、医療従事者支援、アクセスログ、端末適正配置
なぜこの研究をしたのか
大阪大学医学部附属病院では、2022年1月の病院情報システム更新時に2,610台の端末を設置した。その後、医師事務作業補助者の増員などにより1年間で60台を増設し、周辺機器を含めて約1,500万円の費用が発生した。一方で、部署によっては利用頻度の低い端末もあり、限られた予算の中で端末をどのように適正配置するかが課題となっていた。
どう調べたか
2022年1月から12月までの1年間を対象に、病院情報システム端末のアクセスログを用いて、各端末の実際の利用時間を算出した。ログイン・ログアウトの記録に加え、手動ロック、自動ロック、ロック解除の記録を組み合わせて利用時間を集計した。
自動ロックは無操作で30分経過後に発生するため、自動ロック時刻から30分を差し引いて実利用時間を推定した。調査対象は、2022年1月のシステム更新時に配置された端末のうち、平日の1日平均利用時間が10分未満の端末とした。該当端末については、設置部署へのヒアリングを行い、実際の業務上の必要性を確認した。
何がわかったか
平日の1日平均利用時間が10分未満だった端末は80台で、2022年1月に設置された2,610台の約3%であった。
これら80台について設置部署にヒアリングした結果、診療上必要な端末や、病院情報システムにログインせず部門業務で使用されている端末などは継続利用とし、最終的に27台を回収した。回収された端末は、2022年に追加購入した60台の約半数に相当した。
なぜ大事なのか
病院情報システム端末は、医療者が患者情報に安全かつ効率的にアクセスするために重要である。一方で、端末の増設には費用がかかり、部署ごとの要望だけで配置を決めると、主観や部署間の不均衡が生じやすい。
本取り組みでは、個々の端末のアクセスログという客観的な数値を用いて利用状況を可視化し、そのうえで現場の事情をヒアリングすることで、端末配置の見直しに一定の客観性を持たせることができた。
次に目指すこと
今後は、一定の設置基準などの基本方針を策定したうえで、部署間の不均衡を軽減できる端末配置を進めることが課題である。また、今後も効率的な端末配置を継続し、増設要望や新棟への一部移転に対応していくことが目指されている。