大阪大学医学部附属病院 医療情報部

Achievement Detail

放射線レポートの構造化を目指した情報抽出システムの開発

放射線レポートから臨床情報を構造化して抽出する深層学習システム

年度
2023
タイプ
学会発表
キーワード
AI(機械学習), 医療従事者支援, 放射線レポート, 自然言語処理
Authors
杉本 賢人、和田 聖哉、小西 正三、岡田 佳築、真鍋 史朗、松村 泰志、武田 理宏
学会
第27回日本医療情報学会春季学術大会
開催地
宜野湾市

ひとことで言うと

放射線レポートに書かれた臨床情報を、エンティティ認識・関係性判定・確信度判定の3つの深層学習モジュールで構造化して抽出するシステムを開発し、高い性能を示した研究。

Keywords

自然言語処理、放射線レポート、AI(機械学習)、医療従事者支援、構造化

なぜこの研究をしたのか

放射線レポートには、読影医が記述した診断上重要な臨床情報が含まれており、臨床研究や診療支援システムなどへの二次利用が期待されている。一方で、放射線レポートはフリーテキストで記載されることが多く、そのままでは二次利用が困難である。

どう調べたか

大阪大学医学部附属病院で作成された胸腹部CT画像の放射線レポートを用い、レポート内の臨床情報を構造化して抽出するシステムを開発・評価した。

システムは、以下の3つのモジュールで構成された。

  • エンティティ認識:レポート中の観察物・臨床所見・部位などの臨床エンティティを認識する。
  • 関係性判定:認識したエンティティ同士の関係性、たとえば観察物がどの部位に紐づくかを判定する。
  • 確信度判定:観察物や臨床所見について、読影医がその存在をどの程度肯定・否定しているかを5段階で判定する。

エンティティ認識ではBiLSTM-CRF、BERT、BERT-CRFを比較し、関係性判定と確信度判定ではBERTを用いた。アノテーションは、エンティティ認識・関係性判定については複数の医療従事者、確信度判定についてはガイドラインに基づいて複数の医学生が実施した。

何がわかったか

各モジュール単体では、エンティティ認識のF1値が96.1%、関係性判定のF1値が97.6%、確信度判定のF1値が97.6%であり、いずれも高い性能を示した。

また、モジュールを組み合わせたシステム全体では、関係性判定と確信度判定を組み合わせた場合のcoverageが89.8%であった。

なぜ大事なのか

放射線レポートに含まれる臨床情報を構造化して抽出できれば、フリーテキストとして蓄積されている情報を、臨床研究や診療支援システムなどに活用しやすくなる可能性がある。

次に目指すこと

一次資料では、今後の展望や次の研究課題についての具体的な記載はない。