卒後初期研修そして・・・

内科の認定医資格をとるのには?
 研修医時代にちゃんと患者さんの記録(退院時サマリー)をとっておかないと後が大変だというお話をさせていただきます。

 ご存知かと思いますが、日本内科学会という団体があり、内科医の専門資格として「認定内科医」と「認定内科専門医」を作っています。どちらも試験を受ける必要がありますが、看板・広告に「認定内科医」を名乗る際に必要ですし、「認定内科医」は消化器科などの専門医を取るための前提条件になります(外科出身の医師は外科で資格がないと消化器の専門医資格が取れません)。
 もちろん日本では資格がないからと言って内科や消化器内科の診療をしてはいけないなどという規制は今のところありません。でもアメリカでは専門医資格Boardがあって、初めて一人前です。Family PracticeにはFamily PracticeのBoardがあります。事実上、なにがしかのBoard Certificateがないとまともな事はできません。日本でも長期的にみれば医師といえどもなにがしかの資格で身を守る必要が出てくることは確かでしょう。既に日本でも、病理解剖は資格がないと出来ないようになっていますし、専門医資格は色々なところに表示可能となっています。

 閑話休題。内科認定医の受験資格ですが、研修経歴に加え、受験までに経験した各種内科疾患、外科転科症例、剖検症例の提出が必要になります。経験症例は、内科医として経験しうる各領域をカバーしている必要がありますし、症例提出にせよ、そのIDと年齢だけ提出すればおわりというものではありません。主訴、家族歴、既往歴、理学所見、検査データ、診療の経過、転帰に加え、症例に関する考察まで要求されます。でもこれで要求される内容は、退院時サマリーで求められる内容と同じですね。

 だから、退院時サマリーは症例が頭に残っており、症例カンファなどで指導医が指摘したポイントを憶えているうちにつくりましょう。ついでに内科学会のフォーマットに準じて退院時サマリーを作っておけば、少なくとも内科志望の人には一石二鳥ですよ。まあ、ほとんどの研修病院では研修医の諸君の将来の事も考えてそうしているとは思うのですが、念のため。

↓ 病歴要約のテンプレート(ワードのファイルです。ダウンロード可)
casesummary.dot


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