阪大腎友会 会員だより第25号 春のつどい、食事会
平成21年4月発行
平成21年3月21日(土)に、「春のつどい:食事会」が開催されました。腎臓病勉強会、腎臓内科の貝森淳哉先生からは「腎疾患で大切な検査値」、栄養管理室の山崎美紀子先生からは、「腎臓病のお食事」をテーマにお話をいただきました。
勉強会1 腎疾患で大切な検査値
腎臓内科 貝森淳哉先生
腎臓の機能:(1)利尿、(2)血圧、(3)血液をつくる、(4)ビタミンDの活性化の四つのはたらきについてお話をいただき、そのはたらきがどのような検査において判るのか具体的に説明をしていただきました。
貧血は、Hb(ヘモグロビン)
腎臓の勢いは、尿蛋白量
高カリウム血症は、K
尿毒症は、BUN(尿素窒素)
腎機能は、血清クレアチニンCrとeGFR
低カルシウム血症は、Ca
高リン血症は、P
代謝性アシドーシス(血液酸性)は、ABE
副甲状腺機能亢進症は、PTH
浮腫の存在は、体重の短期間増加
高血圧は、血圧
以上の腎疾患における大切な検査値について、解説をしていただきました。
勉強会2 腎臓病のお食事〜CKD診療ガイドに基づいて
栄養管理室 山崎美紀子先生
***腎臓病の食事療法*** なんで食事療法が必要なの?
(1) たんぱく制限について・・・なぜたんぱく制限が必要なの?
たんぱく質は体内で利用されたあと、最終的に窒素化合物(尿素窒素)になります。尿素窒素は腎臓でろ過されて尿の中に排泄されるため、たんぱく質を多く摂ると腎臓の仕事が増え、負担がかかり病気の進行を早めてしまいます。
(2) 塩分制限について・・・なぜ塩分制限が必要なの?
塩分を多く摂ると体内に水分が溜まり、血液量が増え、血圧が高くなって腎臓に負担をかけます。高血圧は、病気の進行を早める危険な因子です。CKD診療ガイドにも、特に減塩が重要であると記されています。
(3) カリウム・リン制限について・・・なぜカリウム、リン制限が必要なの?
腎臓の働きが悪くなってくると、血液中のカリウム・リンが排泄されずその濃度が高くなります。カリウムが高くなると心不全を起こしかねません。リンが高くなると骨がもろくなってしまいます。
食事療法=食事制限ではありません!
身体を動かすためには、エネルギーが必要です。摂取エネルギーが少ないと、体内の蛋白質(筋肉など)が分解されてしまい、栄養状態が悪化します。1日の必要エネルギー量は、標準体重1kgあたり、30〜35kcalです。
かしこい食品選択・調理法で腎臓を守る!
生活習慣の改善(食事療法)は毎日の積み重ねが重要!
腎臓病のお食事について、ご説明をしていただきました。
食事会 仙石シェフのスペシャルランチ
栄養管理室 山崎美紀子先生監修
本日のメニューについて、リーガロイヤルホテル阪大病院仙石シェフより、説明していただきました。みなさんで、たいへんおいしくいただきました。
食後は、管理栄養士の先生方に、各テーブルで、いろいろな質問をお受けいただきました。
温かいお野菜を西京味噌と蜂蜜のドレッシングにて
「人参、アスパラ、いんげん、大根、キャベツ、ボリュームたっぷりで、ドレッシングが美味でした。」
レタスのブイヨンスープ
金目鯛のポワレとお野菜のシェリービネガーマリネ
ゆめごはんのライスコロッケを添えて
「ポワレで金目鯛の皮もパリッといただきました。ライスコロッケはカレー味でゆめごはんが変化、細かな野菜マリネのビネガーともピッタリです。」
クレームブリュレ&清見オレンジ
「たんぱく制限の関係で、少ない卵でも見事なクレームブリュレで、大満足のデザートでした。」
エネルギー 605kcal、タンパク質18.7g、脂質35.2g、炭水化物52.3g、カリウム 977mg、食塩2.0g