会員だより第30号 第13期総会、腎臓病勉強会

阪大腎友会 会員だより第30号 第13期総会、腎臓病勉強会

平成24年1月発行

阪大腎友会の【会員だより】も今回で30号となりました。

腎臓内科・栄養管理室の諸先生方と多くの看護士のみなさんに支えられて、発足より13年を迎え、昨年11月6日(日)には第13期総会が開催されました。

第13期 総会

第1号議案は、「第12期活動報告・会計報告」で、第12期:平成22年11月から平成23年10月までの1年間の活動報告と会計報告がされて、承認されました。

第2号議案は、「役員改選」で提案通り承認されました。

会長:長瀬久典
役員:道券志津子、守田克、竹谷友孝

腎臓病勉強会

勉強会は、みなさんの思いをタイトル「人工透析にならないぞ・・・今以上に腎機能を低下させないために」として、平成23年9月14日放送のNHK(ためしてガッテン)の放送内容について、

●ためしてガッテンの内容は、わたしに当てはまる?

●人工透析にならない方法はあるの?

と題して腎臓内科科長の猪阪先生にご講演をしていただきました。

(1) まず、自分の腎機能を知ろう 腎機能を示すGFR(糸球体濾過量)

(2) GFRの単位は%ではありません(NHKの放送内では%と表現されていましたので注意!)GFRの単位は、ml/分 です。

(3) クレアチニンとGFRを考えてみよう

(4) クレアチニンの正常値は?

(5) 腎機能(GFR)低下のシュミレーション(ほぼ一定速度で加齢と共に腎機能は低下0.5ml/年くらい)(GFR50ml/分くらいが分かれ目で、より早い速度で腎機能が低下残っている腎に負担がかかる)

(6) GFR50ml/分はどのくらい(男性はクレアチニンで1.2〜1.5、女性はクレアチニンで1.0〜1.2

(7) 尼崎市オリジナルチャート(改変:軽度・中等度腎機能低下した人へ)放送内で紹介されてチャートに対し腎機能の低下〈糸球体が徐々に傷ついてくる環境要因についての説明:脂質異常・血糖・尿酸・血圧・蛋白制限・K・CaとP・腎性貧血〉

(8) 血圧が高いと蛋白が漏れやすくなります

(9) 高血圧とCKDが互いに招く悪循環

(10) 高血圧に対する治療:降圧薬の使い方
(ポイント1)RA系抑制薬を使用する
(ポイント2)RA系抑制薬と塩分制限
(ポイント3)RA系抑制薬と心疾患

(11) 下痢により急性腎不全をきたした一例(下痢などで、血圧が低下したときは、降圧薬の減量も考慮しましょう!血圧の自己測定が大事です)

(12) 脂質異常症はCDKの大敵

(13) 脂質管理のポイント
※早期から、動脈硬化を予防するために、脂質異常(特にLDL)を是正しましょう
※蛋白制限を行っているときは、カロリー不足に注意しましょう
※中性脂肪の是正は(特に蛋白制限を行っているときは)難しい

(14) 肥満・メタボリックシンドロームもCDKの大敵

(15) 食事療法は重要!
※透析導入前に、シャント作成あるいは腹膜透析カテーテル挿入目的で入院すると、腎障害が安定することが多い・透析を遅らせたいという自覚が働く・食事療法が自己流だった事に気づく

(17) 糖尿病では腎症の発症や進行に要注意

低たんぱく食事療法について

当日、総会会場にて、ミールタイム:(株)ファンデリーの腎臓病食と毎回ご提供いただいているキッセイ薬品工業(株)の(ゆめの食卓:たんぱく調整冷凍おかずセット)を展示説明して頂きました。

腎臓内科科長の猪阪先生より、「低たんぱく食レシピ集」が紹介されました。"にんじん倶楽部(和歌山腎臓病患者会)"楠見麻枝子さんによる患者さんのレシピで、本書の料理は、特別に変わったものではなく、家庭で普通に作られる料理ばかりとのことです。

次回、当会の「春のつどい」にて配布して頂ける予定とのことです、ご期待ください。