会員だより第32号 第14期総会、腎臓病勉強会|阪大腎友会

阪大腎友会 会員だより第32号 第14期総会、腎臓病勉強会

平成25年2月公開

阪大腎友会は平成24年11月24日に第14期総会を開催しました。当会も平成11年10月の発足以来14年目に入りました。今年の総会では、腎臓病食事療法における、低タンパク調整食品を提供されている、四社様より商品の提供をいただき宅配低タンパク弁当の食比べ試食会も開催しました。腎臓病食の宅配弁当は、キッセイ薬品工業㈱さんから「ゆめの食卓」と(株)ファンデリーさんから「ミールタイム腎臓病食」を提供いただきました。腎臓病勉強会は、腎臓内科科長の猪阪善隆先生よりご講演いただきました。

第14期総会

第13期活動報告・会計報告が承認されました。

腎臓病勉強会

「最新医療における腎臓内科の取り組み」

2012年度より国際腎臓病ガイドライン機構(KDIGO)のCKD重症度分類がCGA分類になりました。それについて、CKD診療ガイド2012に従いお話いただきました。

原因(Cause:C)、腎機能(GFR:G)、蛋白尿(アルブミン尿:A)

・CKDの定義
下記の(1)と(2)のいずれか、または両方が3ヶ月以上持続する。

(1) 尿異常、画像診断、血液、病理で腎障害の存在が明らか、特に0.15g/gCr以上の蛋白尿(30mg/gCr以上のアルブミン尿)の存在が重要
(2) GFR<60mL/分/1.73m2

すなわち、GFRで表される腎機能低下があるか、もしくは腎臓の障害を示唆する所見が慢性的(3ヶ月以上)に持続するものすべてを包含している、新しいCKDステージ分類が示されました。

・腎疾患の病態と食事療法の基本

(1) 腎臓への負荷を軽減する目的でステージG3では0.8〜1.0g/kg体重/日が推奨される。

(2) ステージG4〜G5ではタンパク質摂取を0.6〜0.8g/kg体重/日に制限することにより腎代謝療法(透析、腎移植)の導入が延長できる可能性があるが、実施にあたっては十分なエネルギー摂取量確保などの配慮が必要である。腎臓専門医や栄養士と連携した治療が望ましい。

(3) 0.6g/kg体重/日未満という厳しいタンパク質制限が行われる場合もある。制限の程度が厳しくなればなるほど、特殊食品の使用が不可欠になる。また、特殊食品使用の経験豊富な腎臓専門医と管理栄養士による継続的な患者指導のための整備された診療システムが必要で、それらが伴わない場合には予後に悪影響を及ぼす可能性があり、経験豊富な専門医療機関以外での実施は勧められない。

 

以上が主なポイントでした、詳しい内容は、「日本腎臓学会編 CKD診療ガイド2012」をご購入(1200円)され、ご一読されてはいかがでしょうか。また、質疑応答では、多くのみなさんから質問が出され、猪阪先生にお答えいただきました。

低たんぱく質調整弁当 食べ比べ試食会