電子カルテの積極的活用推進 | 大阪大学腎臓内科

電子カルテの積極的活用推進

2-3か月という限られた期間内に効率よく腎臓内科での研修を進めて頂くためには、必要な知識をコンパクトにまとめた腎臓内科レジデントマニュアルの活用や研修医レクチャー等の指導医による丁寧な指導等のソフト面の充実も必要ですが、実際の臨床業務の工程等のハード面も効率化する必要があります。

大阪大学腎臓内科は、電子カルテの入力そのものを効率化すると同時に、教育効果を付加する電子カルテのシステムの開発に積極的に取り組んでいます。ソフト面とハード面の両方から、積極的な研修支援を行っています。

ITを用いた医師の仕事の効率化と臨床研修の効率化

最近では病院にもIT化の波が押し寄せ、当院でも電子カルテ化が進行中です。従来の紙カルテから電子カルテへの移行に当たっては、便利な機能もある反面、紙カルテの使いやすさもあります。しかし、今後の流れとして、近い将来は完全電子カルテ化が予定されています。そのような状況で、当科は両者の優れた点を積極的に取り入れることで、医師の仕事と研修医教育の両者の効率化を図っています。

例えば、医師になれば皆が記載する退院サマリーは、医療記録としてだけではなく、認定医や専門医の受験の際や(注)、研修医が一人前の医師に育っていく上で教育の場としても重要です。しかし、多忙な医師にとって必ずしも十分な時間をサマリーの記載に割ける訳ではありません。そのような中で効率的な記載方法の確立は重要なことです。また、同時に研修医のための教育効果も含ませることもできれば、研修医教育にも役立つものと考えています。

(注) 各学会の認定医試験や専門医試験を受ける際は、受け持ち症例の退院サマリーを指定された症例数提出することが必要です。

大阪大学腎臓内科が作成した入力支援テンプレートの基本方針

大阪大学腎臓内科では、次のような基本方針に則って、当院医療情報部の協力を得て 入力支援テンプレートを作成し活用しています。内科としては概ね各科での使用に耐えうるようなものになっています。

(1) 基本構造は標準的な退院サマリー書式(内科認定医の書式に類似)

(2) 記載の網羅性とコンパクトさ

(3) 入力の迅速化

(4) 教育支援機能の付与

(5) 紙カルテにおける記載の自由さの維持と、コンピューターの利点の活用

(6) 個人情報保護−電子カルテ上で作業完結

 

大阪大学腎臓内科と医療情報部が開発した入力支援テンプレート

有所見時にのみ出現する腹部・背部の所見

「あり」をチェックすると、より詳細な所見を入力するための自由記入欄やチェックボックスが出現します。

自動計算される検査結果

尿量と尿中Cr濃度、尿中電解質濃度を入力すると、Ccrや1日排泄量が自動計算されます。

完成した退院サマリー

この様にして作成した退院時サマリーは、将来各学会の認定医試験や専門医試験を受験する際に、容易に流用する事ができます。

大阪大学腎臓内科は、研修医の皆さんに効率よく腎臓内科での研修を受けて頂くために、ソフト面とハード面の両面から積極的に研修システムの開発を行っています。大阪大学腎臓内科で臨床研修を受けて頂ければ、大阪大学医学部附属病院でトップクラスの研修内容の素晴らしさを実感して頂けると思います。