IgA腎症の腎予後と診療に関する疫学研究

2008年11月12日公表

IgA腎症の患者様へ
IgA腎症の疫学研究にご協力をお願い申し上げます。

  本サイトは、「疫学研究に関する倫理指針」に従って、大阪大学医学部附属病院、大阪府立急性期・総合医療センター(旧大阪府立病院)、大阪労災病院において実施される「IgA腎症の腎予後と診療に関する疫学研究」に関する情報を公開しています。本サイトに関するお問合わせ等は、大阪大学腎臓内科IgA腎症疫学研究事務局までお願いします。

  下記に該当するIgA腎症の患者様のうち、本研究への参加を希望されない方は、(8)研究参加の拒否を御覧頂き、IgA腎症の疫学研究事務局まで御連絡下さい。

課題名: IgA腎症の腎予後と診療に関する疫学研究
対象: 1989年〜2005年に大阪大学医学部附属病院、大阪府立急性期・総合医療センター(旧大阪府立病院)、大阪労災病院において、腎生検によって初めてIgA腎症と診断され、腎生検時15歳以上だった患者様

研究の概要

(1)研究の背景と目的

  IgA腎症は、腎生検で診断される腎臓病の中で最も多い疾患です。一部の患者様は、徐々に腎機能が低下し、透析が必要となります。これまでの日本における疫学研究によれば、10年以内に透析が必要となるIgA腎症の患者様は、13%〜35%であり、年代及び地域によって大きく異なります。これまで近畿地方における大規模なIgA腎症の腎予後に関する報告は無く、近畿地方でどれくらいの患者様が透析にまで至っているのかはよくわかっていません。

  進行性に腎機能が低下する患者様の特徴として、腎機能障害、尿蛋白、高血圧が古典的腎予後予測因子として知られています。近年の海外の疫学研究によれば、肥満、糖尿病、高脂血症等の動脈硬化疾患関連因子が腎予後に関係している可能性が示唆されています。しかしながら、これらの因子が日本人のIgA腎症患者様にそのまま当てはめる事ができるのかは不明です。

  本研究の目的は、これまでIgA腎症の治療を受けてこられた患者様の診療録(カルテ)を詳しく調べさせて頂く事によって、1)どれくらい多くの患者様の腎機能が実際に低下しているのか、2)古典的腎予後予測因子や動脈硬化関連因子がどれくらい腎予後に関係しているのかを明らかにし、3)腎機能が低下して透析に至る事を予防する治療戦略の基礎を開発する事です。

(2)研究機関と対象患者様

  本研究が行われる研究機関と研究責任者は、次の通りです。

大阪大学医学部附属病院腎臓内科 病院教授 今井圓裕
大阪府立急性期・総合医療センター腎臓・高血圧内科 部長 椿原美治
大阪労災病院腎臓内科 部長 山内淳

  本研究の対象患者様は、1989年1月1日〜2005年12月31日に大阪大学医学部附属病院、大阪府立急性期・総合医療センター(旧大阪府立病院)、大阪労災病院において腎生検によって初めてIgA腎症と診断された患者様のうち、腎生検時の年齢が15歳以上だった患者様です。

  研究対象に含まれているかどうかを確認したい患者様は、IgA腎症疫学研究事務局まで御連絡下さい。

(3)研究の方法

  本研究は、通常の診療において診療録(カルテ)に記録された過去の血液検査や尿検査等の検査結果や処方された薬の内容等の治療内容のみを利用させて頂きます。具体的には、患者様を匿名化した後、性別、血圧、血清クレアチニン濃度や尿蛋白量等の検査結果、ステロイド薬や降圧薬等の内服歴等の治療内容を、各施設でコンピューターに登録します。その後各施設の登録データを集計します。この研究のために、新たに血液検査や尿検査等の検査を行うことは一切ありません。

  個人が特定できないようにして集計されたデータは、学会発表や学術雑誌及びデータベース上等で公に発表される事があります。個人情報が公表される事はありません。

(4)研究に参加することによって予想される利益と不利益

  本研究に参加することにより予想される利益や不利益はありません。また、参加を拒否されても、今後の診療内容には全く影響を及ぼしません。

(5)プライバシーの保護

  匿名化して収集されたデータは、患者様の個人情報が外部に漏れることは絶対にないよう十分注意して管理致します。プライバシーの保護に細心の注意を払います。

(6)研究結果の通知

  この研究の結果の通知を希望される場合、腎生検を受けられた患者様本人にのみお知らせ致します。患者様本人の同意により、御家族等(親権者,父母,配偶者,成人の子又は兄弟姉妹,後見人等)を交えてお知らせすることも可能です。

(7)費用

  この研究に必要な費用は生じません。研究に協力して頂いても,謝礼や交通費などの支給はありません。

(8)知的財産権

  この研究の成果によって,特許権など知的財産権が発生した場合、その権利は、研究機関や研究遂行者等に属し、患者様個人には属しません。

(9)研究参加への拒否

  本研究への参加を承諾されない患者様は、下記連絡先へ電話して頂くか、申請用紙を印刷して頂き、下記連絡先までFAXあるいは御郵送頂くか、下記内容のメールを御送信下さい。

宛先:kidney@kid.med.osaka-u.ac.jp
件名:IgA腎症疫学研究
本文:「IgA腎症の疫学研究への参加を希望しません。」と御記入頂き、「氏名、性別、生年月日、腎生検施行年(だいたいで結構です)」を御併記下さい。

本研究の連絡先

大阪大学大学院医学系研究科老年・腎臓内科学腎臓研究室内
IgA腎症疫学研究事務局
担当 山本陵平(助教)
住所 〒565-0871大阪府吹田市山田丘2番2号B6
TEL & FAX:06-6879-3857
e-mail:kidney@kid.med.osaka-u.ac.jp