第11回 甲状腺検査評価部会発言要旨

★学校検診の倫理的問題についての意見書・検査体制そのものに対する意見書を提出しています。この他に各部会員に超音波検査に対する利益・不利益について具体的な数字を出して評価するよう求めた書面も提出しましたが、それについては公開されていません。

【甲状腺超音波検査の利益・不利益の検討について】

・利益・不利益のそれぞれ考えられる内容について可能な限り具体的な数字をもって評価するべきだ。

・すでに200例以上の甲状腺癌が発見され、県はそれらは放射線によるものだとは考えにくいとしている。それならばこのような形で見つかったことが、対象者にとって結果的に良かったのか・悪かったのか、具体的な数字をもって説明するべきである。

【諸外国のガイドラインについて】

*提出資料の参考文献ついて、「重大な被曝影響がある場合でも4つの外国のガイドラインではスクリーニングの方法として触診を推奨しており、超音波検査は推奨されていない。」と述べた所、部会長から「超音波検査については推奨とも非推奨とも書いていない。文献の読み方が偏っているのではないか。」との意見がありました。その意見についての回答です。

・4つのガイドラインにおける議論のいずれも超音波検査を使用するかどうか議論しており、結論として4つのいずれも超音波検査を推奨する方法として最終的に採用していないという点は重要である。実際、無症状の若年者に対して超音波検査によるスクリーニングをするのが良いことであればもっと広まっているはずであるが、世界中のどこでも実施されていない。

 【甲状腺癌の経過観察(active surveillance)について】

・甲状腺癌の経過観察を実行するのは大人と子供では全く状況が異なる。子供は進学、就職、結婚、出産等の人生のイベントごとに手術しようかどうか迷うことになる。自分の経験でも患者がそれを乗り越えるのは困難で、結局最終的に手術となり、何のために経過観察したんだろう、ということになってしまう。また、小児甲状腺癌はめったに癌死するがんではないが、世間一般ではその他の小児がんと区別ができない。「福島の子供はこれからどんどんがんになる。」といった風評被害が蔓延している中、本来治療さえ必要のない癌を見つけてしまうことは子供に対する差別を引き起こしかねず、慎重であるべきだ。

【学校における検査実施の倫理的問題について】

・現在の学校での検査体制の可否について倫理委員会の審査が必要なのではないか?

(県の回答)今の検査体制については福島県立医大の倫理委員会で承認されているので倫理上問題ないと考えている。

【超音波検査の倫理審査について】

・医大の倫理委員会の審査書類を確認したが、超音波検査の害についての記載は無い。この審査で倫理的に大丈夫なのか。

(県の回答)確認して問題あれば審査し直す。

 

【記者会見】

*毎回、私に対する個人攻撃の質問があるのですが、ここで記載する意味はないので割愛します。

 


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