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大阪大学大学院医学系研究科 免疫発生学研究室(C7)(旧腫瘍病理)

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FAX:06-6879-3889

E-mail:hirano@molonc.
med.osaka-u.ac.jp

2種類の亜鉛シグナルを発見 !

 

亜鉛は必須微量元素の一つであり、細胞増殖、細胞分化、細胞の生存に必須である。生体における亜鉛欠乏は成長障害、免疫不全等を引き起こすので、亜鉛の恒常性は生体内の個々の細胞レベルで厳格にコントロールされていることが容易に考えられる。亜鉛は免疫系の制御に重要であるが、実際にどのように重要かあるいは、どんなメカニズムで免疫系を制御しているのかは判っていない。一方、これまでの神経研究から、亜鉛は細胞の外で神経伝達分子の一種である事が判っている。さらに、細胞の中においてもチロシン脱リン酸化酵素等の信号伝達分子には亜鉛が結合してその活性化状態に影響を与えている事も判っている。しかし、細胞外の刺激に応じて、細胞内の亜鉛とあるタンパクの結合様式が変化してある信号伝達系が開始あるいは抑制されることは無いのか?私たちは亜鉛がカルシウムのようなセカンドメッセンジャーではないかと考えて研究を行っている。今回、我々は、亜鉛が関わる信号伝達系には少なくとも2種類あることを提唱した。一つ目は後期亜鉛信号でそれは細胞外からの刺激によって変化する亜鉛トランスポーターの発現レベルが細胞内の亜鉛レベルを変化させて発生する信号伝達系の修飾、もう一つは早期亜鉛シグナルで、我々が発見した肥満細胞の亜鉛波のように細胞外からの刺激後数分以内に細胞内の亜鉛レベルが変化して発生する信号伝達系の修飾である。

Hirano, T., M. Murakami, T. Fukada, K. Nishida, S. Yamasaki, and T. Suzuki. Roles of Zinc and Zinc signaling in immunity: Zinc is an intracellular signaling molecule. Advances in Immunology. 97: 149-176, 2008. (PubMed)

 


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