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第1回セミナー報告

大阪小児先進医療研究会の第1回セミナーが平成14年8月19日に銀杏会館大会議室で行われました。

セミナーの模様(講演者:山田 源 教授)

 

 演 題

 

外性器形成過程の分子発生学的解析・・・器官形成のモデル系として・・・
講演者:熊本大学動物資源開発研究センター技術開発分野 教授 
山田 源 先生

 

 セミナー要旨

 
外性器は器官形成を評価するための有用な器官である。今回その発生と分化に関して以下の3点について解説する。
1.器官形成に関わる因子のうちFGF8は外性器の伸長に関して必要不可欠である。一方、FGF10 は尿道板及び左右の間葉組織への発育に関わる。またShhはFGFのさらに上流で外性器の発現に関与していると思われる。
2.BMP因子群は外性器の形成過程においてアポトーシスの制御をしている。これはFGF8などの増殖因子に対して負のフィードバックをかけている可能性が示された。
3.カダヤシという魚類においてはgonopodiumとよばれる外性器に近い構造物が存在するが、この伸長に関しても上記のような増殖因子が関係しているようであり、こうした魚類交接器形成がアンドロジェン依存的に起こるので、こうしたフィールドは内分泌撹乱物質研究という観点でも興味深いと考えられる。