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第3回セミナー報告

大阪小児先進医療研究会の第3回セミナーが平成14年12月13日(金)に銀杏会館大会議室で行われました。

セミナーの模様(講演者:福田 恵一 先生)

 

 演 題

 

成体幹細胞を用いた心筋細胞の再生と細胞移植による心不全治療
講演者:慶応義塾大学医学部 心臓病先進治療学
     福田 恵一 先生

 

 セミナー要旨

 

心不全に対する内科治療は生命予後を改善させることは示されているものの、依然予後は非常に悪い。外科治療としては心臓移植があるが、ドナー不足や倫理的な問題から限界が見えてきている。それに代わる治療法として細胞移植による心筋の再生治療が考えられている。
 本セミナーでは、マウス骨髄より骨髄間質細胞を単離・培養し、DNA脱メチル化剤である5―アザンチジンにより心筋細胞へと分化誘導されることを示した。またサブクローニングより心筋細胞へ分化しやすいCMG(cardiomyogenesis)細胞株を樹立し、この細胞株が心筋としての特徴をほぼ満足していることを示した。このような結果は、心筋再生治療への1つの大きなハードルを越えたことを意味しており、今後の発展が期待される。