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第21回セミナー報告

大阪小児先進医療研究会の第21回セミナーが平成19年5月8日(火)に銀杏会館大会議室で行われました。

セミナーの模様(講演者:成瀬恵治 先生)

 

 演 題

 

メカノバイオロジーで切り拓く医学・医療
【講師】
岡山大学大学院 医歯薬総合研究科 システム循環生理学
成瀬 恵治

 

 セミナー要旨

   人体・細胞は、通常、至るところからmechanical stressを受けており、それに対し適切に対応している。対応できない場合、様々な疾患に結びつく。通常の細胞培養システムではmechanical stressを与えることは難しい。我々はPMDS(polydimethylsiloxane)製シリコンゴムを用いて伸展可能な培養容器(stretch chamber)を開発し、皮膚、軟骨、心筋、血管などの細胞を培養し刺激を与えることで、より生理的な培養が可能になった。また、生殖システムにメカニカル環境が重要であることから生殖補助医療へも応用できることが判明した。マイクロチャネル中に発生する層流を利用した運動性良好精子を選別するシステムや、受精卵に生体内と同様のstressを作り出すことにより卵の成熟効率を上げることができるシステムを開発した。これらのシステムにより着床効率の良い受精卵を作成することができ、不妊症のみならず畜産分野に対しても有用である。