生命科学研究科シンポジウム他

あっという間に7月です。ここ2週間の出来事について簡単に報告します。 (1)先週の6月30日、7月1日は生命科学研究科のシンポジウムでした。 私は生命文化学の活動と研究についての紹介に加え、科学コミュニケーションや生命倫理について考えることが広い意味で生命科学研究そのものについて考えることになる、という主旨の話をしました。 (2)ゲノムひろばのプレスリリース(記者レクチャー)を7月2日、京大の記者クラブで行いました。 1社でも2社でもと思っていましたがそれ以上の参加があり、ありがたいことでした。記事も出るといいいのですが。 同時に文部科学省の記者クラブなどにも投げ込んであります。 (3)日曜日(4日)の朝日新聞に、理化学研究所の西川伸一さんの 論評が出ました。全体の生と部分の生を分けて見る現代生命科学の見方と非専門家の感覚とのずれを指摘した上で、産業への応用とは異なる視点で 基礎的な研究の意味を社会の様々なセクターの人たちが議論していくことの重要性を述べておられます。いずれまたゆっくり取り上げようとは思いますが、 全体として私の考えていることと重なるところが多々あります。 (4)東京新聞の本日(7月6日)付けの朝刊(中日新聞では夕刊だそうです) の科学欄に科学コミュニケーションに関する記事が出ました。東京の日本科学未来館やその他の動きに加えて、生命文化学講座のことも取り上げていただきました。 実践と研究の両方を目指してしっかりやらねばと感じています。 いろいろありすぎて雑な書き方になりましたが、今日はこれくらいで。

大学院入試説明会と人文研研究会

昨日は、東京で生命科学研究科の大学院入試説明会がありました。全部で70人ほどの人が参加され、研究科に対する関心の高さを感じました。生命文化学についても私が紹介し、終了後の個別相談の時間に3人の人が来てくれました。そろそろ雑誌(細胞工学・実験医学・蛋白質核酸酵素)に生命文化学の学生募集の広告が出るはずです。多くの人が見てくれるといいのですが。生命科学研究科の募集案内はこちら。 異なる話題ですが、先週の土曜日(19日)は人文科学研究所の共同研究「文明と言語」の会でした。大阪大学の文化人類学者でカナダのイヌイットの調査をされている大村敬一さんがゲストスピーカーでした。イヌイットの文化は現代科学とは異なる見方を提示してくれるものとして、注目を集めているそうです。彼らによると、法則性の発見とその適用による予測を重視する現代科学は「子供」の文化で、「大人」は個々の事象を見て、無理な理論化はしないのだそうです。さらには、「怒る人」「他人の意見に反対する人」も「大人」ではないとか。 会では情報学研究科の助手の方で、職人の芸の伝達を研究テーマにしているという人に会いました。こんなことをやっている人が京大にいたのか、とまた発見です。

この2ヶ月のできごと(2)

昨日は東京でしたが、今日は一日京都にいる予定。一昨日の続きを書きます。 (4)研究室のホームページの更新ができていませんが、新しい年度に入り、研究室のメンバーが変わっています。昨年まで在籍した山岸敦さん(2002年8月~2004年3月)がJT生命誌研究館(BRH)のSICP(サイエンスコミュニケーション&プロダクション)セクターのスタッフとして就職しました。山岸さんは私のところに来る前からBRHの催しに参加しており、そもそも私が山岸さんに初めて会ったのはBRHのサマースクールでした。タイミング良く就職できたのはとても良かったと思います。  入れ代わりに、4月からは博士課程の一年生として伊東真知子さんという方が、5月からは研究員として加藤牧菜さん(たまたま姓が同じですが私の親戚ではありません)という方が参加してくれています。伊東さんは、京都大学理学研究科の佐藤矩行さんのところでホヤのゲノム解析の研究で修士号を取ったあと、生命文化学の初めての学生として生命科学研究科に編入して来ました。佐藤研の学生として、2002年、2003年のゲノムひろばにも参加し、博士課程では科学コミュニケーションの分野で実践と研究がやりたいと張り切っています。加藤牧菜さんは、筑波大学の生物科学研究科で生命倫理の研究を行い、今年の3月に博士号を取得されました。バイオ企業の生命倫理問題への取り組みを調べる中で、科学のコミュニケーションが重要だと考えるようになったということで、山岸さんの後任として参加して下さっています。  さらに、昨年までのホームページには登場していませんが、山本芳栄さんという方が2002年から研究支援者として研究室を支えて下さっています。  たった4人の研究室ですが、異なるキャリアを持ったメンバーで、また、牧菜さんが東京出身であとの3人が関西出身あるいは関西が長いということで、文化的ギャップによる発見もたくさんあり、笑いでいっぱいの毎日です(もちろん、大変なこともたくさんありますが)。ホームページのメンバーのところはできるだけ早く更新する予定ですので、ご了承ください。

この2ヶ月のできごと

生命文化学講座がスタートして2ヶ月以上が経ちました。相変わらずひとこと日記に書く暇もなく時間が過ぎていきますが、この間、実に多くのことがありました。いくつか落書きのように書いておこうと思います。 (1) 生命文化学研究室が世話役となって5月に開講した大学院向けの講義「生命文化学特論A(科学コミュニケーション特論)」が無事終りました。加藤の総論的な講義(5月10日)に続き、京都造形芸術大学の竹村真一さんが12日に、朝日新聞科学医療部の記者の大岩ゆりさんが19日に、そして28日にフリージャーナリストの林衛さんが講師として来て下さいました。生命科学研究科の修士1年生と2年生、それに文学部や教育学部の学生さんなど、合わせて30人~40人程度の学生が毎回参加。細かい部分では準備不足や改良すべき点は多々ありますが、全体としては議論も盛り上がって楽しい講義でした。来年はさらに改良したものにできるよう努力します。また、10月には生命倫理学も開講する予定です(詳細は9月までにホームページにも掲載予定)。 (2) ゲノムひろば2004の準備が進んでいます。ゲノム研究勢ぞろいの出展研究室が昨日決定しました。福岡と京都合わせて65研究室。3回目の研究室もあれば、初めてのところもあり、楽しみです。また、ゲノム談義とゲノムセミナーのゲストや講師も決まっています。まもなくホームページに掲載される予定です。加藤研究室ではそもそもゲノムのパネル作りを進めています。 (3) ゲノムひろばにロシアからお客さんが来ることが決まりました。HUGO(ヒトゲノム国際機構)の評議員の一人で人類遺伝学の先生です。 その他、まだまだ書くことがありますが、明日は東京出張なので、今日はこれくらいで。

お知らせ2つ(ゲノムひろば2004と大学院説明会)

今日は簡単なお知らせが2つです。 一つは「ゲノムひろば2004について」。今年もゲノムひろばを開催することが決まりました。いろいろ調査と議論をした結果、7月31日(土)8月1日(日)に福岡(エルガーラ、天神)で、8月7日(土)8日(日)に京都(京都産業会館、四条烏丸)で開催します。どうして2ヶ所なのか、どうして昨年と同じ都市なのかと思われるかもしれませんが、そのあたりの詳細はいずれまた報告することにして、とにかく今年は夏休みに開催するという第1報です。多くの方に知ってもらい、訪れてもらいたいと考えています。 もう一つは、4月1日のひとことに書いた生命文化学講座について。4月6日午前に生命科学研究科の大学院説明会(今夏の入試、つまり来年の入学者に向けてのものです)が京大会館で開かれるのですが、そこに私も出させていただいて生命文化学講座の説明をします。そして午後には研究室で個別の質問も受ける予定です。研究室は本部キャンパス内、百万遍角の入り口を入ってすぐの建物(旧工学部9号館)の2階208号室です。すでに尋ねてみたいという学生さんがおられ連絡を下さっています。

「生命文化学講座」がスタートしました

久しぶりの「ひとこと」です。 突然のことですが、今日4月1日から、人文科学研究所のポストに加えて京大の大学院生命科学研究科の「生命文化学」講座に併任助教授として新しいポスト(および研究室)を持つことになりました。「生命文化学」講座では、科学コミュニケーションや生命倫理、現代科学史などの、「生命科学と社会との接点」で重要な役割を果たす分野の実践や研究を行うことを目的にしています。講座の体制が決まるのがかなり遅かったために、この3月にようやく今年度(平成16年度)の大学院生の募集を開始し、4月に入ってから大学院入試を行う予定になっています(詳しくは生命科学研究科のホームページ参照)。急なことなので今年は応募者が少ないかもしれませんが、是非、来年(今年の夏に入試、17年4月入学)にはやる気のある若い人に受験してほしいと願っています。(問い合わせはメールで加藤までどうぞ) 私は以前(2001年1月まで)の職場であるJT生命誌研究館にいた時から、「科学研究のすぐそばに社会との接点を考える部門を作ろう」と主張してきており、その意味で、今回生命科学研究科の中に生命文化学講座ができ、その運営に自分が関わることができることは本当にうれしいことです。ここ2年ほどは「ゲノムひろば」を通したゲノム研究のコミュニケーションの実践に相当な力をかけてきましたが、これからはゲノム研究はもちろん、それ以外の研究分野にも力を入れていきたいと思います。セミナーや研究会も企画していきます。どうぞよろしくお願いします。

ゲノムひろばが始まります

6月にこの欄にひと言書いてから、なんと4ヶ月も経ってしまいました。その間、実にいろいろなことが起こり、なかなかゆっくりと日記を書く余裕が作れませんでした。実は明日から「ゲノムひろば2003」が始まります。まもなく福岡に向けて出発するのですが、その直前にひと言を書いています。この週末(11月1日、2日)の福岡を皮切りに、来週末(8日、9日)は京都、15日、16日は東京です。昨年は大いに盛り上がった「ゲノムひろば」ですが、今年はどんな風になることやら、とても楽しみです。 ゲノムひろばにあわせて、「あっとゲノム」にはノーベル賞学者 John E.Sulstonさんのインタビュービデオを載せました。彼は、これからサイエンスを志そうという若い人に向かって、ビッグサイエンスの時代でもきっと面白い(意味のある)テーマが見つかると明るく語ってくれています。法人化とか、外部評価とか、大学の周辺は騒がしいのですが、Sulstonさんのメッセージは、あらゆる分野の人に対して「落ち着いて自分のやりたいこと(自分が重要だと信じること)を進めなさい」と言っておられるように感じます。是非、多くの方に見てほしいと思います。

ホームページがようやくできました!

ようやく研究室のホームページを立ち上げることができました。以前の職場であったJT生命誌研究館から京都大学に移って、ほぼ2年半、早くWebでの情報を出したいと思っていたのですが、なんとか形だけは作ることができました。 これからまだまだ内容を充実させていかなくてはなりませんが、まずは、「あっとゲノム」のページを見ていただければありがたい。昨年11月に東京、京都、福岡で開催した「ゲノムひろば」の時に研究室の山岸君が中心になって用意した「そもそもゲノム」のパネルの内容を、フラッシュの画像を使って、インターネットで立体的に見られるようにしようと考えて制作したものです。ゲノムが細胞の核の中に折り畳まれて入っている様子や、遺伝子の情報が転写、翻訳され、タンパク質になるところが、紙芝居のように見られます。(特に、転写と翻訳のあたりは、それなりにやりたかったことができたのですが、一番最初に遺伝のことが入っているのは迷ったところで、先にゲノムが細胞に入っているところを見せた方がよいかもしれない、などと、まだ試行錯誤中)次の目標は、ゲノム解析の最新の情報を入れること(多様な生物のゲノム解析の現状や、SNP、ハプロタイプなども)と、ゲノム研究の歴史、倫理的問題の部分を充実させることです。 6月21日には、新しい研究会(「生命科学と科学のコミュニケーション研究会」)を始めます。京都を中心に、生命科学と社会の接点について考えたい人、仕事をしている人が出会う場を作りたいと、これもまた以前から考えており、ようやくスタートです。あまり大げさなものをイメージしているわけではなく、あくまでインフォーマルな形で進めていこうと思っているのですが、果たしてどうなることやら。私の属している人文科学研究所は、フォーマルには大学院生を受け入れる体制がないのですが(文学研究科やいくつかの研究科に連携講座として参加している人はいるけれども)、昨年の「ゲノムひろば」をきっかけに、生命科学系などの学生が何人か出入りしてくれるようになっています。大学や学部、研究科といった既存の枠にとらわれずに、やりたいことを中心に人が集まるようになればうれしいのですが。