新年度が始まりました+入試説明会

2006年度が始まりました。8人の新しいメンバーが加わって、全部で15人規模になる生命文化学の研究グループでは、昨年度以上に多様な実践と調査・分析研究を進めていきます。(Webサイトのメンバー欄は4月中には更新の予定です。しばらくお待ちを) 実践については、まず、大学院生の加納君たちが中心となって作成してきた「ここまでわかった!! ヒトゲノムマップ」が、4月の科学技術週間に全国で配布されます。その後、6月と7月には大学院生の井出さんが中心となって企画・準備してきた科学館での催しを行います(詳細は4月末にプレスリリースの予定)。そして11月には「ゲノムひろば」を再び東京と京都で開催する予定です。 一方、調査研究もいろいろと進んでいます。詳細は省略しますが、いくつかは論文にむけてのデータ分析が進行中です。 現在、北大や東大ほか、多くの大学で科学コミュニケーションの実践と人材育成のプログラムが実施されています。そこで話題になっているのは、実践の評価やコミュニケーションを巡る問題についての調査研究や分析的研究の必要性です。私達の研究室では、実践もやりますが、同時に、それらの活動の評価やコミュニケーションを巡る問題についての分析的研究を行うことを目指しています。 4月6日には夏の修士課程大学院入試についての説明会が開催されます。私達の研究室の特徴は、1)実践と調査・分析研究の両方を行っていること、2)科学・技術全般を扱うのではなく、生物学・生命科学のみを対象に実践・研究を行っていること、です。こうした内容に興味をお持ちの方は、是非、説明会の日の午後、研究室を訪ねてきてください。 生命文化学だけでなく、私の本務である人文科学研究所でも最近のできごとで話題にしたいことがありますが、それについてはまた次に。

年度末の行事いろいろ

あっという間に3月に入ってしまいました。年度末というのは大学人にとっては何かと忙しい時期です。研究費の報告書、班会議、公開シンポジウム、などなど。いつものようにこの2ヶ月ほどの出来事をメモしておきます。 1月14日 生命科学と社会のコミュニケーション研究会。人文社会科学から科学コミュニケーションなどの実践を分析する手法について、2人のゲストに講演してもらいました。生命文化学の皆も、社会学などの既存の分野の手法についてもっと学ばなくてはならないという気持ちになりました。同時に、既存の人文社会科学分野の研究も、ある程度歴史はあっても、まだまだ現場の科学者コミュニティーに十分に影響を与えるほどのことはできておらず、科学研究の現場にダイレクトに影響を与えるような研究は我々自身が開拓していく必要があると感じました。参加者に若い学生が多く、30人ほどが懇親会で盛り上がったのは良かった。伊東さんが「ひとこと日誌」に書いたレポートも見て下さい。 1月19‐20日 東京での国際シンポジウム。ヒトゲノムのELSIについて海外から3人のゲストを招きました。ELSIについて、しかも、英語で果たしてパネルディスカッションがうまく進むのかと心配でしたが、ゲノム医学を進めるに当たっての具体的課題や市民との議論(public engagement)の効果等について、かなり突っ込んだ議論ができました。今、テープ起こしを作っており、いずれ冊子になる予定です。 1月21日 市民講座「ゲノム科学と社会」。村上陽一郎先生が文明史の中の生命科学の意味について重たい問題提起をされたのは、ちょっと驚きでした。これについても詳細はいずれ冊子になりますので、そちらで。 1月23日 京大人文研でのセミナー「ゲノム研究と社会―生命倫理から市民とのコミュニケーションまで」。シンガポールのKaanさん、NIHのMcEwenさんに、東京での国際シンポよりも、ゆっくりとお話をしていただくことができました。シンガポールの国家生命倫理委員会がどのように社会の中の多様なセクターの意見を取り入れてきたか、有名なNIHのELSIプログラムの歴史と現在、などについて詳しく聞くことができました。ELSIプログラムは、哲学から歴史学、さらにはゲノム研究に反対の立場の研究まで、実に広い分野の研究をサポートしています。日本は科研費・特定領域研究の「応用ゲノム」に社会との接点の研究課題が入って、それはそれですばらしいことですが、もっともっと多様なELSIの研究がなされる必要があるのではないでしょうか。セミナーの後、参加者も含め10名ほどで先斗町の串かつ屋で食事をしたのは楽しかった。 1月28-29日 ミレニアム特定領域「ゲノム」公開シンポジウム。どうして2週も続けてゲノムをテーマに公開シンポがあるのか、理解に苦しむところですが、とにかく相当多数の来場者がありました。僕はパネルディスカッションで「社会との接点」担当で参加してきました。(いつもやっている)進行役ではなくパネリストだったので準備が要らず、楽しむことができました。これもいずれ本になるそうです。 2月13‐14日 総合研究大学院大学での科学コミュニケーターに関するワークショップに出席。初めて総研大に行きました。かなり町から離れたところ。社会との接点といってもどんな人をどのような形で相手にするのか、簡単ではないでしょうね。とにかく、ずっと会いたいと思っていた平田光司さんにようやく会えました。 2月16-17日 科研費・特定領域研究「応用ゲノム」の班会議。企画委員会という総括班の活動を考える委員会も開催され、「応用ゲノム」としての第2回の国際シンポジウムを今年の12月に開催することが決まりました。私は信州大学の福嶋先生と一緒にELSIのセッションを再び担当します。 4月からの新入生のうちの何人かが、卒業論文や修士論文(博士課程からの編入生の場合)を終えて、春からの研究について相談に来ています。今年は新人の数がとても多く、修士課程が4名、博士課程(編入)が2名入学してくる予定ですが(さらにポスドクが2名参加)、これまでのところ、皆自分のやりたいことが結構はっきりしていることに感心させられています。 「自分でこの分野を開拓する気はありますか。自由はあるけど大変ですよ」という僕の言葉を聞いた後でも、やはり生命文化学に来たいと言ってくれた人達らしく、頼もしい限りです。 今日はこのくらいで。

新年を迎えて

1月5日に研究室のメンバーが集まり、新しい年の活動を本格的に始めました。今年は私が人文研に来て6年目、生命文化学が始まって3年目に入ります。いろいろな意味で大きく前に進む年にしたいと思います。(同時に、積み残した仕事を終えることもしなくてはならないのですが) 5月には韓国・ソウルで科学コミュニケーションの国際会議・PCST(Public Communication of Science and Technology)が開催される予定です。研究室からは4つの演題を申込み、メンバー全員で出かけます。どんな出会いや発見があるか。今から楽しみです。 昨年に引き続き、科学コミュニケーションは活発な分野であり続けるでしょう。様々な活動が行われる中で、自分達は何に力を入れていくのかが問われます。私としてはこれまで以上に生命科学研究の現場および研究者たちと深く関わっていく年にしたいと考えます。最先端の研究を進める人たちのすぐそばにいる我々が取るべきスタンスと考えるからです。私たち自身が生命科学(と生物学)の研究をもっと深く知り、その上でコミュニケーションや生命倫理の研究・活動を行いたい。深く関わることの中には、社会の側や生命科学以外の分野からの意見や批判を研究者のコミュニティーにぶつけていくことも含まれます。韓国ソウル大学のES細胞研究捏造事件のような事態を受けて、研究者のコミュニティーは何を考え、どんな行動を起こすのでしょうか。社会の側の視点で見つめていきます。 プライベートでは昨年8月に男の子が誕生し、3人の子供を抱えることになりました。昨年同様、できるだけ仕事を効率的に進め、父親としての役割を果たすことが今年一年の目標です。現状では、赤ん坊を週の半分、お風呂に入れることで精一杯ですが、本当はもっと子供たちと一緒にいたいのです。 今年もまた、多くの人と出会い、お世話になることと思います。研究室のメンバーともども、どうぞよろしくお願いいたします。

国際プロジェクトに参加して

一ヶ月近く経ってしまいましたが、10月下旬の約一週間、米国ソルトレークシティーに行ってきました。 前半は国際ハップマップ計画の会議、後半は米国人類遺伝学会でした。国際ハップマップ計画とは、2002年から3年間の計画で進められてきた国際プロジェクトで、ヒトゲノムの多様性の分布を示す「ハプロタイプ地図」をゲノム全体について作ることを目指すものでした。開始から3年になるこの秋、当初計画した第一フェーズの研究が終了し、10月27日付けのネイチャー誌に論文が公表されました。 私はこの国際プロジェクトに「ELSI(倫理的・法的・社会的問題)グループ」の一員として参加したのですが、イギリス、日本、アメリカと場所を変えて行われた運営会議には、プロジェクトに参加するすべての研究者(実験研究やデータの分析をしている人たち)が参加するので、ヒトゲノムに関する大型の国際プロジェクトが、どのようなやり方で運営されるものであるかということを実際に体験することができました。特に、プロジェクト全体のコーディネーターとして、ヒトゲノム計画のリーダーだった米国ヒトゲノム研究所のFrancis Collins氏が参加しており、その見事な(巧妙な)リーダーシップの取り方を見て、なるほど、この人がいたから、セレラ社との大変な競争の中でヒトゲノム計画は無事進んだのだろうと感じました。 ただし、当初からこのプロジェクトはアメリカNIHの主導で進められてきており、日本を含むアメリカ以外の参加各国は、自分たちの意見をしっかりと出すように積極的に努力しないと、多くのことがアメリカの人たちの意見を中心に決まってしまう仕組みになっているのも確かでした。具体的なことはいずれどこかで紹介する機会があるかと思いますが、国際プロジェクトの面白さと難しさを垣間見ることができた3年間でした。

ニーズはある、あとは・・・

2月も下旬となりました。  ここ1ヶ月ほどの出来事を一部ですが話題にしておきます。  1月23日(日)には、東京で、生命倫理、法学、医学などの研究者が集まる研究会に参加し、科学コミュニケーションをテーマにしたセッションで話題提供をしました。1) イギリスにおける科学コミュニケーションの歴史、一方通行の情報発信から対話重視へと変化してきていること、2) 日本では突然、科学コミュニケーションが注目され始めているが、新しく育てた人材をどこに配置するか、どのような活動を行うか、理科教育との役割分担など、様々な点で模索中であること、3)そうした人材が働く場所のひとつとして、大学や研究機関に科学コミュニケーションに関するポジションを作ると良いと考えていること、などを話しました。生命倫理に関わる人たちにとっても、科学研究の現状をどう共有するかは重要な課題で、大いに議論は盛り上がりました。  1月27日(木)には、徳島大学ゲノム機能研究センターのセミナーで話をしました。センターの将来を考えるために、「What’s next?」と題して、3回ほど外部からゲストを招いて講演会を企画されたそうで、私は2番目でした。「ゲノム研究と社会―生命倫理から科学コミュニケーションまで」というタイトルで、ゲノム研究と社会の接点における課題と取り組みについて話しました。生命倫理については、ユネスコやHUGO、そして日本の状況を紹介し、科学研究のコミュニケーションについては、23日に取り上げたような内容に加えて、「細胞の写真展」など芸術分野との共同の可能性などについて紹介しました。セミナーの前後には、センターの若い教授陣とともに、これからの研究の方向や社会・地域との関わりなどについて意見交換をすることができ、貴重な経験をすることができました。  科学コミュニケーションや生命倫理など、科学と社会の接点を考える分野は、今、本当に面白くなってきています。確かに科学コミュニケーションにしても生命倫理にしても、ごく最近になって活発になってきた分野であり、働く場が少ない、ポストがあまりない、という問題はあります。けれども、上記のような会に出ていると、いろいろな形でニーズがあるということを強く感じます。驚くほど多くの人がこうした分野について考えようとしている。あとは、こちらが「私たちはこういうことができます、こういうことがやりたいのです。」という具体的な姿を見せていくことではないか、そうすれば働く場は自然に用意されていく、と私は確信しています。

新しい年を迎えて

 2005年が始まりました。  京都でも、私の住まいがある滋賀でも、雪とともに正月を迎え、新しい年に向けて気持ちを引き締めています。  今年は、科学コミュニケーションをはじめ、科学と社会の境界領域が昨年以上に注目されるようになることは、間違いありません。いろいろな催しや事業が行われることでしょう。そんな中で、私たちの研究室では、いたずらに周囲に振り回されることなく、自分たちがなすべきこと、できることをしっかりと見極め、落ち着いて進んでいきたいと思います。  大学という環境の中で科学研究と社会の接点の研究と実践を行うという、これまでにない形を作ることについても、まだまだ模索は続きます。4月から参加する新しいメンバーも含め各人が「自分の仕事(研究)」として誇れるものを見つけることができるように、私も研究室の皆も一緒に頑張っていきたいと思います。  個人的なこととしては、正月早々に妻が体調を崩し、7歳の娘と4歳の息子の面倒をみることから新年が始まりました。子供たちとの時間は大切にしたいとずっと思っているのに、このところあまり時間が取れない状態が続いていたのが、おかげでかなりの時間を一緒に過ごすことができました。子育ては、生命の面白さ、難しさが最もよくわかる経験の一つ。仕事に振り回されてばかりでなく、しっかりと子供たちとの時間を持たねばという思いを強くしました。  というわけで、新年のひとことが遅くなりましたが、今年も研究室のメンバーともどもよろしくお願いします。  「準備中」のページばかりのWebサイトも、できるだけ充実させていく予定です。

良いお年を 

 2004年の最後の日になりました。  今年は以前にも増して多くのことがあった年でした。生命文化学研究室の立ち上げと初めての大学院講義、そしてゲノムひろば第3回の開催といった大きな仕事は、なんとか無事終えることができました。大学院生の伊東さんも無事研究をスタートさせ、研究員の加藤牧菜さんもゲノムひろばの基本展示の制作などを中心に頑張ってくれました。今年の1月には部屋の改装も終っておらず、まったく空っぽだった生命文化学の研究室が、1年たってそれなりの形を整えて動き出すことができたのは、研究室の3人のメンバーのおかげです。  ただ、私自身は、正直なところ、次々と迫ってくる仕事をひたすらこなしていくのに精一杯で、なかなか創造的な方向に頭を使うことができなかった気がしています。  今年は、日本でも海外でも、自然災害の多い年でした。12月26日に発生したインド洋の大津波では、亡くなった人々が10万人を越えたというニュースが流れています。太平洋側で整っていた津波の警報システムがなぜインド洋側で整備されていなかったのか。大げさな表現をすれば、社会における科学や技術のあり方が問われることになるでしょう。そうした議論は、地震という分野を越えて、科学と技術のあらゆる分野に広がる可能性が高いと思います。生命科学にしても、日本や欧米のような先進国の人々だけでなく、今回被災したような国々の人々を含む世界中の人々にどう役立つのかを考えることが必要になるでしょう。  来年こそは、雑用をうまくこなして、余裕を持って将来を考える年にしたいと思います。皆さま、どうぞ良いお年をお迎えください。

ハワードヒューズ医学研究所 (+大学院生募集)

 11月30日の朝日新聞朝刊に、柳澤桂子さんの「宇宙の底で」という連載のエッセイが掲載されていました。 取り上げられていたのが、表題に挙げたアメリカの「ハワードヒューズ医学研究所(英語ではHHMIと略される)」です。 HHMIは、大富豪であったハワードヒューズが設立した医学・生物学研究のための財団で、アメリカを中心に世界中の 優秀な研究者に対して、潤沢な額の研究費を出しています。重要なことは、才能ある研究者を見出す仕組みを 持っていることで、結果としてノーベル賞級の研究が次々に生まれています。私もイギリス留学時代からHHMIの存在は 知っており、この人はすごい、と思う研究者が軒並みHHMIにサポートされているのにはいつも感心していました。 また、目の前で医学に直結する分野だけでなく、細胞や個体発生などの基礎研究分野の研究者がしっかりとサポートされて いることも特色です。具体例を一つだけ挙げておくと、生命誌研究館にいた頃、季刊誌『生命誌』のためにインタビューした カリフォルニア大学のCornelia Bargmann準教授(現・ロックフェラー大学教授)は、線虫の嗅覚の研究をしていました。  ところで、ここで言いたいのは、このハワードヒューズ医学研究所が、科学コミュニケーションについても非常に 優れた活動をしているということです。かつて、イギリス留学時代に研究室の教授宛に届いていたニュースレターを見て、 その見事さに感心したという記憶があるものの、しばらく詳細をフォローしていなかったのですが、最近 Webサイトを見て、 その活動の充実ぶりに驚きました。ニュースレターの発行だけでなく、一般市民向けのレクチャーなども活発に行っており、 レクチャーの一部はWeb上でビデオとして見ることができます。 決してなんでも西欧のものが良いとは思いませんし、日本でも随所で活発な活動が始まっていることは 言うまでもありません。けれども、研究機関・研究組織による社会への情報発信・社会との コミュニケーションに関しては、米国やヨーロッパに、参考にすべき例がまだまだ多く あるように思います。  話題は変わりますが、ホームページの Informationのコーナーに博士後期課程の学生募集のお知らせを掲載しました。 生物学・生命科学系の修士課程を終えた方、あるいは修了予定という方に応募していただきたいと考えています。試験の内容は募集要項に掲載されますが、 英語と修士論文に関する発表が基本になります。希望の方は受験前に私に連絡を取っていただく必要がありますので、是非、 気軽に連絡を下さい。同じ研究室で進学しようか、私たちの分野に転身しようか迷っている方で、まずは少し話を聞いてみたい という程度の方でも結構です。メールをお待ちしています。

ホームページをリニューアルしました その他いろいろ

4ヶ月ぶりの「ひとこと」です。 この間に実に多くのことがありました。 まず初めの報告は、10月末のホームページのリニューアルです。主として研究員の加藤牧菜さんが中心になってリニューアル用のページを作成して下さり、「メンバー」欄、「研究」欄などが 新しくなりました。今後、「研究室メンバーのひとこと日誌」は毎週更新の予定ということで楽しみです。 研究室の女性たちはとてもパワフルで、僕も負けてはいられないと毎日気合を入れています。 その他、記録代わりに夏から秋にかけての出来事をメモしておきます。 (1)「ゲノムひろば2004」が無事終わりました(7月31日8月1日福岡、8月7-8日京都)。今年も各会場ほぼ千人の来場者があり、大いに盛り上がりました。現在、3年間の結果をまとめた報告書を作成中です。 (2)今年の3月に終了した科学技術振興調整費のプロジェクト「アジアにおける生命倫理に関する対話と普及」(代表:京都大法学研究科・位田隆一教授)の報告会で発表を行いました。 (8月4日東京、8月10日京都) (3)生命科学研究科・平成17年度大学院修士課程入学試験を実施(8月11-12日)。生命文化学分野の志望者は7名で、5名の方に合格通知を出しました。志望者も合格者も、生命科学系出身者と文科系学部出身者が ほぼ半々ずつでした。何名の方が来年4月に入学されるかはわかりませんが、初めての修士課程学生が誕生することは間違いなく、研究室はさらに賑やかになりそうです。 (4)特定領域ゲノム4領域の班会議に参加(8月18-20日神戸)。 (5)「ティータイムon ゲノムひろば」を開催。「ゲノムひろば2004」の京都会場で、「ゲノムひろば」に関する感想・意見などを後日改めて聞かせていただける方を募集しました。 5名の方が希望して下さり、8月23日の午後、生命文化学の研究室でお茶とケーキをいただきながら、いろいろな意見を聞かせていただきました。 (6)立命館大学先端学術総合研究科での集中講義(9月13-18日)。昨年から始めて2年目。生命科学そのものについての話を盛り込みながら、生命倫理、コミュニケーションなどについて講義しています。 少数精鋭で活発に議論ができる雰囲気で、熱意と力のある学生さんに毎年会えるのは面白い。 (7)国際ハップマップ計画運営会議に参加(9月19-21日英国ケンブリッジ)。ヒトゲノムの多様性が具体的にどのようなものかを調べようというプロジェクトです。日米英中加の5ヶ国が参加する 国際プロジェクトで、生命倫理の立場から私も参加しています。12月には次の会議が日本で開催されます。ヒトゲノム研究の最先端で何が起こっているのか。その一端を垣間見ています。 (8)奈良先端科学技術大学院大学での講義(10月29日、11月2日)。バイオテクノロジー特論という枠の中で、「生命科学と社会」をテーマに合計4コマの講義をしました。今年で4年目です。 取り上げた内容は、生命科学における普遍性と多様性、生命を持つ存在の歴史性、生命倫理、科学コミュニケーションなどです。一通り社会的課題について話した後、最後のところで、生き物の世界の持つ 芸術的側面や(例えば「細胞の写真展」)、歴史の産物としての巧妙な生命の仕組みを理解することで、生命を持つものに対する畏敬の念や愛情が生まれる可能性について話をしました。 以上、いずれも説明不足でしょうが、しばらくはこのようなメモ程度のひとこと欄を続けていくつもりです。 このところ、科学コミュニケーションという言葉が相当頻繁に使われるようになった気がします。けれども、よく見てみると多くの場面で、科学コミュニケーションが「科学や技術に対する理解増進」 と同義であったり、「科学者の説明責任を果たすための活動」という意味で使われていたりするのが気になります。私にとっての科学コミュニケーションはこれらとはかなり意味が違います。 生命誌研究館にいた頃から続けてきているつもりですが、やはり、生物学や生命科学を話題にすることを通して、「生命や自然について考える、生きることを考える、社会の中の科学について考える」というように、 「考えること」につながる研究と活動を目指したいと考えています。(これも説明不足でしょうが、また書きます)。