大阪大学消化器外科の中で、肝胆膵・移植グループでは、主に肝胆膵領域がんの診療、並びに肝移植、膵臓移植を担当しています。
これらの診療を行う上で、当グループは肝胆膵外科高度技能修練施設(A認定、http://www.jshbps.jp/home.html)であるとともに、肝移植(脳死肝移植、生体部分肝移植)、膵移植(脳死膵移植)の認定施設(http://www.jotnw.or.jp/)でもあります。
まず、がん治療では消化器内科、腫瘍内科や放射線科といった各専門分野の医師と共にCancer Boardを形成し、手術治療を中心に、抗がん化学療法や放射線療法など包括的に治療を進めています。さらに移植医療では、既存の内科治療では救命しえない非代償性肝硬変の患者さんに、脳死肝移植、生体部分肝移植を施行し、またⅠ型糖尿病の患者さんに、脳死膵移植を行っています。
次に、当グループ全体の手術症例数を示します(図1)。年間200例前後で推移しており、そのほとんどが臓器移植、がんに対する肝切除や膵切除といった高難度手術です。さらにその内訳として肝切除、膵切除、および移植手術の年次推移を図に示します(図2, 3, 4)。
また、2022年4月にロボット支援下手術の保険適応拡大に伴い肝切除、膵切除(膵頭十二指腸切除、膵体尾部切除)、総胆管拡張症手術を積極的に取り入れ、小さな創部で手術を施行しています(図5)。
各疾患の治療方針や手術症例数などについては、後述するように、肝臓がん、胆道がん、膵臓がん、肝移植、膵移植と個別にご紹介します。